高校生の禁断の三角関係を描いた人気作家・綿矢りささんの小説「ひらいて」(新潮社文庫)が映画化され、女優の山田杏奈さんが主演を務めることが2月12日、分かった。自分の恋心に任せて暴走する主人公の木村愛を演じる山田さんは、「愛が自分と他人を壊しながら、もがきながら生きる姿が皆さんにどう映るかとても楽しみです」と語っている。
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クラスの人気者の主人公・木村愛と、愛がひそかに片思いししている「たとえ」、たとえの彼女・美雪の複雑な関係性を描いた物語。脚本・監督は、1995年生まれの気鋭の若手監督・首藤凜(しゅとう・りん)さんが務める。今秋公開予定。
山田さんは「普段役と共に泣いて、共に喜ぶことを目標にしていますが、今回は愛という人とひたすら戦った撮影期間でした。私は彼女が嫌いですが、彼女を愛さずにはいられませんでした。素晴らしいキャストの皆さん、スタッフの皆さんと紡いだ作品をどうぞ楽しみにしていてください」と呼びかけている。
監督の首藤さんは「綿矢りささんの『ひらいて』を初めて読んだ17歳の冬から、この映画を撮るために生きてきました。静かな戦いのような撮影期間、そうずっとあなたに会いたかったのだと思う瞬間が幾度もありました。いびつな彼女たちの青春でもって、世界にはこんなやり方が無数にあるのかもしれないと予感されるように、私の才能と熱の全てを使います」と語った。
原作の綿矢さんは「『ひらいて』は炎のように自分も周りも焼きつくしてしまう、激しい性格の女子高生が主人公で、映像にするとどんなふうになるか想像もつきませんでした。でも脚本を読ませていただき、主人公の激しさのなかにある揺らぎや、人に出会って少しずつ変わってゆく様子が描かれていて、感動しました。首藤監督の作り上げられた映像作品を見るのがとても楽しみです。主演の山田杏奈さんが主人公の体当たりの恋をどのように演じられるのかも想像が膨らみます」とコメントを寄せた。
高校3年生の愛(山田さん)は、成績優秀かつ明るい性格で学校内の人気者。そんな彼女は、クラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子「たとえ」に高1の時からずっと片思いをしているが、どこか人と関わりを持つことを避けているような彼に、愛はなかなか近づけずにいた。自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。しかし、彼が誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまったことで事態は一変。愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。
手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える陰気な少女・美雪。その時、愛は初めて2人が密かに交際していることを知るのだった。学校内でも目立たない美雪がたとえの彼女だと知った愛は、自らの気持ちを隠して美雪に近づいていく。愛と美雪、たとえの絡み合った三角関係が始まる。
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