M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
1999年10月の放送開始以来、20年以上に渡りお茶の間に親しまれ、2021年3月12日をもって終了することになった、MBSの長寿ローカル番組「ちちんぷいぷい」。時にはMCとして、時にはレポーターとして番組を盛り上げてきた名物局アナたちに、印象に残った企画や裏話、番組に対する思いなどを聞いてきた。第3回目は、現在月~水曜のMCを務める山中真アナウンサーだ。
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山中アナは入社翌年の2002年からほぼレギュラーとなり、硬派な政治ネタから体力勝負の企画まで、何でもこなすオールラウンダーとして、番組を盛り上げてきた。
「一時『山中は小器用に何でもやるけど、これっちゅうもんがない』という企画が立ったぐらい(笑)、いろいろやらせていただきました。でも最初、東京出身だった僕は、とっても関西色の強い番組にとまどっていたんです。関西人の会話のお約束だけでなく、テレビ上のやり取りの基本もわからなくて、影でめったくそ怒られたことも多かったです」と、笑いながら振り返る。
そのターニングポイントになったのが、当時番組のレギュラーだった落語家・桂ざこばさんとともに、関西のいろんなスポットを訪問するコーナーの担当になったことだ。
「まだ大阪をよくわかってない僕が『ザ・大阪のおっちゃん』の、ざこば師匠に連れ回してもらいました。あのおかげで、僕という存在を多くの人に知ってもらえたと思うんですけど、僕が酔いつぶれて寝ないと終わらないという構成で。実は僕、お酒があまり飲めないので、今だったら絶対コンプライアンスに引っかかりますよね。でも師匠と、当時のディレクターには、理不尽なりにも(笑い)お世話になりました」と感謝する。
その後も、フルマラソンで3時間切りを達成したり、「リアル世界君」という企画で世界各国を訪れたり、五輪やW杯の現地取材を行ったりと「自分が小さい頃に『やりたい』と思っていたことが、ほとんど実現した」というほど、さまざまな体験をしてきた山中アナ。一番思い出深い取材を聞くと、かなり悩んだ末に「南極かなあ」との答えが返ってきた。
「最初は『南極に行ける!』とすごく意気込んだんですけど、南極点まで行けるわけでもなければ、そこで冬を過ごすでもなく、本当に入口に立ってきただけ(笑い)。それでも、すべての国が『ここは人間がテリトリー争いをする所じゃないよね』といって、唯一残された場所が、こんなにも静かで、人間の手から離れた所なんだなあ……というのは、やっぱりすごく感激しました」と語った。
そして番組が20年目を迎えた2019年には、ついにMCに就任。決定した時は、プレッシャーより「やっと来た!」の喜びの方が大きかったという。
「本当に新人の時代から、だんだんとコーナーを任されたり、マラソンを恒例行事にしてもらえたりと、小さな階段を少しずつ上がるうちに『いつかMCになれたら』と思い始めていました。東京者のド新人が、20年もかかったけどここまで来たなあ……といううれしさの方が、不安や重圧より大きかったです」と打ち明けてくれた。
そして「これっちゅうもんがない」と言われるほど、いろんなことに幅広く挑んできた成果は、現在MCで生かされていると言う。
「MCって、スタジオの会話を回すのが上手いとか、いろんな人がいますけど、僕はリポーター的な役割が得意だと思います。というのも、いろんな現場に自分の脚で……特に世界旅行の時は、そこに実際に行ってから気になったものを、どんどん取材していく形だったので、僕が記者的な役割も担わないと成立しなかったんです。そういうディレクター目線、記者目線を持つための経験を積んでいたのは、大きかったかもしれませんね」と自己分析した。
番組の終了については「もちろんさびしいけど、20年も経つと時代に合わせて、番組の性格や根本は、どうしても変えざるを得なくなると思う」と理解を示す。同時に「ぷいぷい」は「僕にとっては学校でした」とも話す。
その意味は。
「何もわからない所から、先生や先輩にいろいろ教えてもらって、時には『番組○千回記念』とか、運動会や文化祭みたいなイベントもあって、毎日のように“視聴率”というテストの結果が返ってくる(笑)。基本的に、自分を成長させてくれる場所でした」と振り返る。
そして最終週に向け、以下のようなメッセージを寄せてくれた。
「この21年を振り返るだけではなく、『最後だけど、ちゃんと新しいことをやろう』という遊びが入ってて、ぷいぷいの底力を見せるものになると思います。だから最後の週も日常として、いつも通り肩の力を抜いて見てほしいですし、僕もそうしたいと思っています。(もう一人のMCの)河田(直也)さんは号泣するかもしれないですけどね(笑い)」。
「ちちんぷいぷい」は、月~金曜の午後1時55分からオンエア。5日で通常の番組を終了し、最後の週となる8日~12日は「フィナーレウィーク」と銘打った特別編を4時間に渡って生放送する(11日のみ2時間)。
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