わたしの宝物
第6話 生まれ変わったら本当の親子になれるかな・・・
11月21日(木)放送分
夜間救急専門のチーム「ナイト・ドクター」の5人の医師が、夜は命に、昼はそれぞれの人生に向き合う姿を描く“月9”ドラマ「ナイト・ドクター」(フジテレビ系、月曜午後9時)。本作を手がける野田悠介プロデューサーは、病院内だけで完結しない“新しい医療ドラマ”を目指し、作品を通して「顔を合わせるからこそ得られる人とのつながりを届けられたら」と思いを明かす。ドラマ化の経緯や、「この5人でしかなかった」と語るキャスティングなど、制作の裏側を聞いた。
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野田さんは、これまでに「コード・ブルー」シリーズや、「グッド・ドクター」「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(全てフジテレビ系)など、数々の医療ドラマを担当。撮影で携わる医師との会話から、医師の働き方改革について掘り下げていく中で、今作への着想を得たという。
特徴は医療ドラマながら青春群像劇でもあること。医師の“一人の人間”としての側面にも焦点を当て、「医師は『いい人』『ちゃんとしている人』という“聖人”のようなイメージですが、病院を離れれば一人の人間で、それぞれに悩みや葛藤もある。彼らがどう生きていくかは、これまで踏み込んで描かれることが少なかったので、医師のパーソナルな部分が見どころの一つになれば」と、新たな医療ドラマの形を目指した。
脚本を手がける大北はるかさんとは、「グッド・ドクター」「ラジエーションハウス」でもタッグを組んだ。劇中ではキャリアの積み方、私生活との兼ね合いなど、社会人として抱える悩みがリアルに描かれ、視聴者からも共感を呼んでいる。
野田さんも「働く中で将来について考える一つのポイントが30歳前後だと思うんですが、そこで生じる葛藤を現実味をもって描いてくださっている。医療ドラマの面を維持しつつ、5人のテンポ感のある会話など、青春群像劇らしい部分を良いバランスで引き出してくださっています」と信頼を寄せる。作品を通して「長い時間を共に過ごす意味や、相手を知ることで生まれる絆、顔を合わせるからこそ得られる人とのつながりを届けられたら」と思いを込めた。
そんな本作で主演を務めるのが女優の波瑠さん。演じる朝倉美月は、過去に急病の母親が病院をたらい回しにされた経験から、「いつでも、どんな患者でも絶対に受け入れる」という強い信念を持つ医師だ。
野田さんは「患者を救いたい意志の強さを、たたずまいだけで表現できるのは波瑠さんしかいないと思いました。一方で、美月は私生活ではズボラだったり、いろんな顔を持っている。波瑠さんはコミカルからシリアスまで幅広い演技をされていて、その表現力の豊さから、今回の美月は波瑠さんでしか成り立たないと思いました」と起用理由を明かす。
これまでにも波瑠さんの出演作を見てきたといい、「『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)、『G線上のあなた』(TBS系)、『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)……それぞれ全く違ったキャラクターを演じられていたと思いますが、いろいろな作品のいいとこ取りをできれば」と語った。
波瑠さんは今作をはじめ、多くの作品に主演。座長としての魅力は、芝居で発揮する集中力など「言葉にせず引っ張っていく力」だという。続けて「周りがやりやすい環境を作ってくださっていて、キャスト同士の間に和気あいあいとした空気感がおのずと生まれているのも、波瑠さんのおかげかなと思います」と話す。
どの共演者やスタッフに対してもフラットに接する姿が印象的で、「年齢差のあるキャストですが、波瑠さんが自然体なので、皆さん近づきやすかったというか。そういった意味で、ムードメーカーとはまた違う雰囲気作りをしてくださっています」と教えてくれた。
波瑠さんを中心に、同期となるナイト・ドクターのメンバーには田中圭さん、人気グループ「King & Prince」の岸優太さん、岡崎紗絵さん、ダンス・ロックバンド「DISH//」の北村匠海さんが集結。野田さんは今回のキャスティングについて「とにかく、どの5人だったらバラバラに見えるかを意識しました」と明かす。
田中さんは技術重視でクールな現実主義者の成瀬暁人、岸さんは病気がちの妹を元気にするために医師になった深澤新、岡崎さんはキャリアアップを目指す高岡幸保、北村さんはムードメーカーだが体に事情を抱える桜庭瞬を演じている。
「岸さんはピュアで天然、岡崎さんはクールだけど可愛らしさもあって、北村さんは陰も陽も持ち合わせている。そして、いい人に終わらない役を演じさせるなら、僕は田中さんしかいないだろうと。それぞれのキャラクターにどんな人が当てはまるかを考えていったときに、自然とこの5人が思い浮かんだ」と野田さん。実際に演じる姿を見て、より親和性の高さを感じたといい、「ナイト・ドクターはこの5人しかなかった」と手応えを得た。
キャスト同士の関係性については「和気あいあいといつも楽しそうなんですが、誰かが頑張って話したり、無理して盛り上げようとする感じはなくて、皆さん居心地がいいんじゃないかなと。たとえ会話していなくても、5人ともその場にいることが気持ち悪くないというか。お互いに信頼関係が築けていて、安心感が生まれているんだなと感じます」と裏側を語る。
劇中では、バラバラだった5人が徐々に絆を深めていく姿も描かれていることから、「彼ら(キャスト)自身のチームワークはこの物語を紡いでいく上でも必要。それが映像に反映されることで説得力が増すし、すごくプラスになる」と話す野田さん。「ナイト・ドクター」は共演者の“オン”と“オフ”の相乗効果によって作り上げられているようだ。
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