海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
2021年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」の気象予報士・内田衛役で話題になった俳優の清水尋也さん。「おかえりモネ」後初の連ドラとなる「となりのチカラ」(テレビ朝日系、木曜午後9時、1月20日スタート)で演じるのは、凶悪少年犯罪事件の真犯人「少年A」だとうわさされる美しい青年・上条知樹(かみじょう・ともき)。「今までにない。演じるのがすごく難しいです」と語る清水さんに、改めて自覚することがあったという朝ドラ出演後の反響や、「となりのチカラ」の見どころ、主演を務める松本潤さんの印象などを聞いた。
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「となりのチカラ」は、「女王の教室」(日本テレビ系、2005年)、「家政婦のミタ」(同、2011年)、「過保護のカホコ」(同、2017年)などで知られる遊川和彦さんのオリジナル作。松本潤さんの主演で、思いやりと人間愛にあふれていながらも、何をしても中途半端な主人公・中越チカラ(松本さん)が、問題を抱えた同じマンション内の住人たちの悩みを解決していく姿を描く社会派ホームコメディー。
清水さん演じる上条は、美しい外見ながらも、凶悪少年犯罪事件の真犯人とうわさされるどこか不気味な男だ。物語が進むにつれ、その素顔が明かされていくというが、初めは感情の起伏もない、一見何を考えているか分からない人物。「上条の全体像は撮影前に監督に丁寧に説明していただきました」という清水さんは「ドラマを通して見てもらってこその役だと思います。前半のお芝居が、後半に生きるよう流れは意識して、常に先を考えた上でお芝居をしています」と語る。
しかし、感情をここまで抑えての演技は初めてだといい、難しさもあるという。「監督からは『もっと“棒”で、無機質な感じで』ってよく言われます。本当にこれでいいのかな?って思いながら、毎回モニターをチェックしながら演じています」と明かした。
初共演となる主演の松本さんについて聞くと「小さいときからテレビで見ていました。同じドラマに出演させていただくなんて、想像もできなかったです。たくさん勉強させていただきたいです」と目を輝かせる。
印象を聞くと、「誰よりも現場が見えていらっしゃる印象があります。現場すべての指揮を司(つかさど)り、引っ張っていってくださいます。空き時間に話しかけてくださることもありますし、お芝居以外のところもすごく見てくれているなって感じています。お芝居でも、こっちのカメラで何を撮っているのとかすべて把握した上で、考えて演じている。本当にすごい方だなって思います」と話していた。
「おかえりモネ」では、根っからの“気象オタク”でおかっぱ頭にメガネ姿の気象予報士・内田衛を演じた清水さん。そのいでたちも相まって普段は頼りない印象だが、高校時代にモデルの過去もあり、スーツを着ると“イケメン化”する……という個性的な役だった。また、恒松祐里さん扮(ふん)する主人公の幼なじみと、互いを「スーちゃん」「マモちゃん」と呼び合うカップリングなども話題となった。
「街で声をかけていただくことが多くなり、影響力を実感しています」と朝ドラの影響をしみじみ語る清水さん。「特に感じるのは、友人たちからの反響です。普段、友人たちとは僕の仕事の話はあまりしないのですが、朝ドラはやっぱり普段から習慣として見ている子が多かったのか、『すごいね!』『見るね!』って反応が結構きました。『トレンド入りしてたよ!』とかも教えてくれたりして、やっぱりそういうのはうれしいですよね」と顔をほころばせる。
そんな「おかえりモネ」を経て改めて実感したこともあったという。
「いろんな人に知っていただいた分、良くも悪くも常に人に影響を与えている、人の人生に関わっている仕事だというのは考えます。これまでも、僕のインタビューを読んで『進路を決めました!』みたいな報告とかをいただくことがあったのですが、たくさんの方に知っていただく機会があったからこそ、改めて、僕の発言やお芝居が、少なからず人の人生に影響を与えることもあるんだっていうことを自覚しました」
2019年には第11回TAMA映画賞で「最優秀新進男優賞」に選ばれるなど、着実に若手実力派俳優としての道を進んでいる清水さん。芸能デビューから今年で10周年。理想の俳優像などあるのかと聞くと、「“代えが利く”役者になるのは嫌ですね。『じゃあ清水くん』って選ばれ方よりも、『清水くんしかできない』っていう言われ方をするような“個性”のある役者になりたいです」との答えが返ってきた。「となりのチカラ」では、どんな“個性”を見せてくれるのか楽しみだ。