放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
女優の今田美桜さん主演の連続ドラマ「悪女(わる) ~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系、水曜午後10時)で、人事部課長の夏目聡子を演じる石田ひかりさんと、カスタマーサポート部に勤務する三瓶花子を演じるお笑いコンビ「阿佐ヶ谷姉妹」の渡辺江里子さんのインタビューが4月19日、公開された。1992年のドラマ版で主演を務め、主人公の田中麻理鈴(まりりん)を演じた石田さんは、「麻理鈴がまだ抜けていない部分もあります」と語っている。
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女性向けマンガ誌「BE・LOVE」(講談社)で1988~97年に連載された深見じゅんさんの「悪女(わる)」が原作。30年ぶりの再ドラマ化となる今作では、大手IT企業の窓際部署に配属された麻理鈴(今田さん)が、クセ者社員らの抱える問題にぶつかりながら、出世の階段を駆け上がる姿を描く。
公開されたインタビューでは、現在49歳で同い年の石田さんと渡辺さんが、「悪女(わる)」の魅力について語っている。
石田さん 第2話の台本をいただいて、三瓶さんはすごく大事な役だし、どなたになるのだろうと思っていたら、お姉さん(渡辺さん)で。もうぴったりだなと思いました。本当にお芝居が上手で驚きました。(劇団の)東京乾電池にいらっしゃったから、当然なんですけど。
渡辺さん 恐れ多い……。私は今回、夏目課長という役柄を石田ひかりさんが演じられると聞いて、もう家の中で小躍りしました。さらに、実際にご一緒することができて。個人的に高校時代から、「悪女(わる)」の大ファンだったので、麻理鈴が成長して立派になって、みたいなおばちゃん的な感覚もありつつ、何というかパラレルワールド的に違う形で、石田さんが存在されていることがいろんな意味で感慨深く感じました。本当にありがとうございます(笑い)。今回の夏目さんは、ご自身の中の正義を通すりりしい部分も持っている。演じられているお姿、一輪のユリのように見えて。すてきだなって思いました。最後に、ちょっと2人で会社を見上げるというようなシーンがありまして、とても光栄でしたね。幸せなひとときでした。
マンガを家に買わない人間だったんですが、「悪女(わる)」に関しては、その当時集められる限りの巻を全部そろえたほどの愛読書で、友達にも薦めまくっていたんです。それがドラマ化されて、石田さんが演じられて。今でも心に残る印象的なドラマです。かつて芝居の道を志すも諦めた人間からすると、こんな形で憧れのドラマの令和版に関われるのがうそみたいで。さらにあの石田さんと共演させてもらうなんて! 「悪女(わる)」のファンの方からしたら、あいつちょっとおいしい思いしすぎだぞとお叱りを受けるかも。ごめんなさい。
石田さん いまだに心の整理がつかないところがあるのですが、平成版と令和版をどういうふうに整理するのか、立ち位置をどこに置くのかがとても難しくて。セリフで「峰岸!」って、呼びつけで呼ぶんですよね(笑い)。私にとっては倍賞(美津子)さん演じる「峰岸さん」なので、呼び付けで呼ぶのは非常に抵抗があって。やっぱり厚かましいのですが、やっぱり麻理鈴がまだ抜けていない部分もあります。美桜ちゃんとご一緒して、麻理鈴はバトンタッチはしているのですが。
渡辺さん 石田ひかりさんの初代麻理鈴は、髪の毛が結構長かったですよね。カチューシャがお似合いで、ポンパドールの髪形がトレードマークになっていて。時計付きのリュック姿もお似合いでかれんだった。私は会社勤めをちゃんとしたことはないのですが、あの当時の社会の現実などを「悪女(わる)」を通して、麻理鈴を通して勉強させてもらった気がします。
石田さん 本当に私も久しぶりに見直して見て、遷都や子育て、託児所というテーマを取り扱っていて、びっくりしました。当時20歳の私には、まったくリアリティーがなかったこともあり、何を意味しているのか理解していなかったですよね。最終回、(子育て中の母親たちが働ける会社を設立した場面で)小さなお子さんを抱えたお母さんたちがぞろぞろ出社してくるシーンを見た時は、すごく感動したのと同時に、30年たった今でも根本的な問題は解決されてないんだなと感じました。いろんな気づきがありましたね。
渡辺さん 実力派俳優さんたちの中で、弱冠20歳の石田ひかりさんが、堂々と演じ切っていらしたのが本当にすごかったなと思いました。特に麻理鈴が、「レディース・シンクタンク」(女性が出世できる派遣会社)のチームリーダーになった回。百戦錬磨の俳優さんである犬塚弘さん、銀粉蝶さん、あめくみちこさんたちとバッチバチに。また、岸部一徳さん演じる三島課長の「女は、会社のお荷物!」という発言やキャラも思い出深いです。回を重ねるごとに、どんどん強敵というか、立ちはだかる大きな壁が現れて。麻理鈴がマイペースながらも、恋のパワーを働くパワーにして、壁を乗り越えていくところも斬新でした。石田さんと麻理鈴が本当にシンクロしていましたね。今でいうとT・Oさんへの思いは、「推し」に近いというか。それと、倍賞美津子さん演じる峰岸さんのかっこよさ、先輩っぷりは原作とはまた違う形で、大人の女の色気がありました。本当にかっこよかった。
石田さん 実際に、麻理鈴からすごいパワーをもらうそういう役ではあるんですよ。今もやっぱり「カット!」ってかかった後に、現場で笑いが起こるんですよね。それはもう、作品が持つ力であったり、美桜ちゃんが持つ力であったり、すごく雰囲気のいい現場なんですよ。
渡辺さん 今田さん演じる麻理鈴も、とてもパワフルでキュートで魅力たっぷりでみんなが応援したくなる存在に。令和版の「悪女(わる)」では、麻理鈴を導く峰岸さんを江口のりこさんが演じられるんですよね。原作から飛び出てきたようにイメージが近くてびっくり。前作とは違う江口さんならではの峰岸さん、どうなるのかしら。オンエアをすごく楽しみにしています。石田さん演じる夏目課長と令和の峰岸さん、いい女同士のぶつかり合い。
石田さん 私は、峰岸さんとライバル関係にある役柄というのが、いまだにどうしていいか分からなかったんですよ(笑い)。私のほうが峰岸さんよりもちょっと年上の設定で。私にとっては、やっぱり峰岸さんってすごく憧れの大先輩というのが抜けてないので。江口さん演じる峰岸と夏目の2人のシーンがあるのですが、すごく緊張してしまって。「やりにくいですよね?」って、江口さんに何度も謝ったんですけど。難しかったです。
渡辺さん 2人の対決、もう本当に楽しみです。初めて「悪女(わる)」をご覧になる方には、30年前の当時の私みたいに、このドラマに影響を受けて、何年たっても忘れない大好きなドラマになったらいいなという期待感があります。平成版をご覧になっていた「悪女(わる)」ファンの方が、令和版と見比べて、どういう感想を持たれるのかというのも、とても楽しみ。ぜひ、見比べていただきたいです。
私はこのドラマから、清掃員の方の名前を全部覚えるとか、音楽とか、すごく影響を受けました。令和版をご覧になる方の中にも、このドラマに感動するだけじゃなく、刺激を受けて、後の人生に何かしら影響がある方もいらっしゃるかもしれませんね。こんな話を初代麻理鈴とお話しできて、冷静を装っていますが、今日はとても感激しています。ちょっと話しすぎました(笑い)。
第2話で石田さん演じる夏目課長は、もちろん麻理鈴とは違うキャラクターなんですけど、最後の優しさみたいなものが麻理鈴につながっていると感じました。夏目課長が、麻理鈴やみんなと接することで変化していくところにもぜひご注目いただければと思います。あらやだ私、偉そうに。今回私が演じた三瓶花子も、地味に頑張っておりますので、ぜひご覧ください。
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