恋マジ:ドラマPが明かす「月10」第3弾がラブストーリーになった理由 広瀬アリス&松村北斗の魅力も

連続ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」の場面写真=カンテレ提供
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連続ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」の場面写真=カンテレ提供

 女優の広瀬アリスさん主演の連続ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?(恋マジ)」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)。カンテレが昨年10月期にスタートさせた「月10ドラマ」の第3弾となるが、これまでの同枠の作品とは一線を画したリアルなラブストーリーが、視聴者を引きつけている。どうしてラブストーリーを選んだのか。その意図や、広瀬さん、「SixTONES」の松村北斗さんといったキャスト陣の起用の理由について、プロデューサーの米田孝さんに聞いた。

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 「恋マジ」は、恋に本気になれない男女6人が、人生最大の本気の恋に落ちていく姿を描く群像ラブストーリー。1997年の「ラブジェネレーション」、1998年の「神様、もう少しだけ」(いずれもフジテレビ系)などラブストーリーの名手として知られる浅野妙子さんが脚本を担当している。

 カンテレでは昨年10月期、火曜午後9時のドラマ枠「火9ドラマ」を、月曜午後10時に移動。第1弾となった「アバランチ」はシリアスなピカレスクアクション、第2弾として今年1月から放送された「ドクターホワイト」は医療ドラマ、そして「恋マジ」はラブストーリーといずれも大きく異なるジャンルだ。

 同じ枠で異なる作風が続いているのは、カンテレが制作する全国放送のドラマ枠が、一つだけという事情がある。米田さんは「カンテレでは在京局と違って、ドラマ枠がいくつかあるわけではありません。だからこそ、サスペンスなどでジャンルをくくったり、イメージを決めず、さまざまなジャンルにチャレンジする月10枠になればと思っています」と説明する。

 その一方、「『火9ドラマ』の時と同じように、どこかでカンテレらしさ、個性を見いだしていきたい」とも語る。その中で「恋マジ」でチャレンジしたのが「刺激的な内容」だった。

 広瀬さん扮(ふん)する主人公・桜沢純は、27歳にして恋愛経験ゼロの女性。ドラマ中盤まで男性経験もなく、高校時代の同級生である清宮響子(西野七瀬さん)、真山アリサ(飯豊まりえさん)との女子会では、生々しいアドバイスが飛び出ることもあった。また、専業主婦の響子はセックスレスで、アリサは“パパ活”に励んでいたりと、現代の恋愛事情を赤裸々に描いている。米田さんは「セリフであったり、登場人物の設定であったり、迷ったら恐れずにいきたいと思っています」と語る。

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 “奥手女子”とプレーボーイ、専業主婦とワケありの年上男、“パパ活女子”と“レンタル彼氏”とさまざまな立場の登場人物たちによる複数の恋を描く群像劇が、かつてのトレンディードラマを連想させるという声も視聴者から聞こえる。米田さんは「“現代情景”と“昔から変わらないもの”の、ごちゃごちゃ感を表現したいという思いがありました」という。

 「映像設計や、女子3人の衣装など、すごく現代的に作りたいと思っていました。また恋愛観は時代とともに移り変わるものですが、一方で生きている人たちが恋愛に振り回されるということや、抑えがたい自分の感情で動いてしまうということは変わりません。そこを混ぜてみました」とコメント。「“ガワ”は現代的なものにしましたが、脚本を浅野妙子さんにお願いしたのは、変わらない人間の姿を描きたいという狙いがあります」と強調する。

 ドラマで描かれている“ごちゃまぜ感”は、主人公の純のキャラクター像にも反映されているといい、「純自身も今を生きる人ですが、アンティークが好きだったり、彼女のキャラクターにも新しさと古さがあります」と語っていた。

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 そんな純を演じる広瀬さんについて、米田さんは「いろいろな作品を経験されていて、コミカルな演技も真面目な演技もできる実力を持っている方」と魅力を語る。「彼女の飾らなさや、誰にでも好かれる雰囲気など」が純に重なると考えた。

 広瀬さんが演じる純は、仕事に没頭するあまり恋愛は不必要と思っている人物だ。不器用な一面も隠さず、人間的な魅力があふれている。米田さんは「役者さんはその人の持っている空気感が役に投影されるので、そのまま桜沢純という役にうつってくれると期待していましたが、うまくハマっていただけました」と手応えを語る。

 純の恋愛のお相手である柊磨を演じるのは、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」の雉真(きじま)稔役で大ブレークした松村さんだ。米田さんは、松村さんについて「カンテレが制作した『パーフェクトワールド』(2019年)、『10の秘密』(2020年)を見て、役者としての伸びがすごかった」と感じていたという。

 「パーフェクトワールド」では義足の生活を送る青年、「10の秘密」では母を殺害された過去を持つ音大生を好演。難役にもかかわらず存在感を放っていた姿に「彼がどれだけ役と向き合っているのかを感じ取りました」と話す。本作の台本を作っていく中で、自身が思い描く“柊磨像”と松村さんが合致したため、柊磨役をオファーしたと明かす。

 また、「恋マジ」の撮影時期は「カムカムエヴリバディ」の放送時期と重なっていたといい、「現場をやりながら、朝ドラの稔さんを見ていたので、『これはすごいな!』と思いました。良い時期に松村さんをお迎えできたと感じました」と振り返った。

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 ドラマは終盤にさしかかり、2人の恋路を阻むような柊磨の母・真弓(斉藤由貴さん)など、新たな登場人物も現れた。終盤の見どころを聞くと、米田さんは「登場人物たちが感情に揺さぶられ、右往左往する様を1話から積み重ねて描いてきました。その感情が最大限に振り切った様を面白がって見ていただきたいです。それぞれの本気の恋のクライマックスにぜひご注目ください」と呼びかけた。

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