放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
人気グループ「Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)」の玉森裕太さん主演で、10月8日にスタートする連続ドラマ「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(日本テレビ系、土曜午後10時)。玉森さん自身、「これまでにない玉森裕太がこのドラマで見られると思います」とコメントしているが、“新しい玉森裕太”とはどのような姿なのか、プロデューサーの藤森真実さんに真意を聞いた。
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ドラマは医師で作家の知念実希人さん作「祈りのカルテ」(角川文庫)、「祈りのカルテ 再会のセラピー」(KADOKAWA)が原作。カルテを基に、研修医の諏訪野良太(玉森さん)が患者たちの抱える秘密を見破り、心を癒やすことで病を治していく医療ミステリーとなる。
ドラマ化した理由について、「原作を読ませていただき、いわゆるスーパードクターも出てこない、病院の黒い陰謀もない、けれど、どこか未熟で欠点もある人間くさい医師が、患者さんのためにとにかく一生懸命で、どこまでも患者さんに寄り添ったとても温かい話がすてきだなと思いました」という藤森さん。「そういったところをドラマ化できれば、視聴者のみなさんが温かい気持ちになれて、『こういうお医者さんと出会いたい』と思っていただけるのではないかと思いました」
医療ドラマといえば、緊迫した手術シーンや医者同士の対立から、恋愛模様を描いたり、コメディーのようなものも見受けられることも多いが、本作はこのようなカテゴリーには属さないと感じられる。
「このドラマは、患者さんの抱えた秘密を解き明かしていくのですが、カルテがキーになっています。今までの医療ドラマでは、カルテから色々なことをひもといていくことはあまりなかったと思います。意外と知らないカルテの重要性を押しているのが新しいところと考えます。他には、1話ごとに精神科、外科、産婦人科など舞台となる科が変わる作品はあまり見たことがなかったので、そういった面も新しさをお届けできるのではないかと思います」とアピールする。
「泣ける部分もあるし、クスッと笑えるコミカルなシーンもあります。手術シーンも緊迫感はありますが、研修医の諏訪野が歌い始めるなど、ただの緊迫したシーンではないんです。手術中、緊張をほぐすためにみんなでマッチングアプリの話をしているとか、実際に取材をして聞いたことを盛り込んでいるので、小ネタも楽しめると思います。他にも、医者のかっこいいところだけでなく、誰もが人間で未熟な部分もある。かっこよさだけでなく、医者の葛藤だったりそういった裏側も大事にしています」
今作では“こんなお医者さんに出会いたい”ということを大事にしており、それを体現しているのが玉森さん演じる諏訪野だ。「自分のことよりも患者さんのためにがむしゃらになれて、ドタバタもするんですけどひたむきに頑張る愛すべきキャラクターです。この主人公を見たい!と思ってドラマを見てくださる方が増えるとうれしいです」と本作に込めた思いを話す。
そんな諏訪野に玉森さんをキャスティングした理由について聞くと、「諏訪野はすごく一生懸命で人に寄り添うことができる人物。玉森さんにも人を包み込む優しさがあると思ってオファーさせていただきました。玉森さんは今までかっこいい役柄が多かったと思いますが、今回はかっこよさだけではなく優しさや応援したくなる主人公像であることを大事にして演じていただいています」と明かす。
玉森さんは本作への出演が発表されたときに「これまでにない玉森裕太がこのドラマで見られると思います」とコメントしていたが、現場で彼を見る藤森さんは、どのような新しさに気づいたのだろうか。
「今回は『玉森君って“かっこいい”』がテーマではないので、誰かのためにがむしゃらに一生懸命になれるとか。誰かのために泣いたりするとか。今までにない玉森さんが見られていると私自身も感じています。例えば、『頑張りましょう』という時にガッツポーズをしたり、おたおたしたときに手持ち無沙汰な感じになったりとか。そういうのは玉森さんの提案で大げさにならない程度に、自然なお芝居をしてくださっています」と、役者としての実力をしっかりと感じ取っている。
「諏訪野はまだまだ成長過程の研修医ですが“こんなお医者さんに出会いたい”と近くで見ていて感じています。玉森さんが役に対しても真摯(しんし)に向き合ってくださっていますし、本当に諏訪野そのものになっています。いい意味でかっこよすぎない。ダメなところもいっぱいあるけど、その中で患者さんのためにどうもがくか。諏訪野の頑張りを、みなさんにお届けできたらと思います」
本作は、大きな枠で見れば医療ドラマではあるものの、壮大な手術シーンにドキドキしたり、諏訪野と誰かが結ばれるような恋愛要素があるわけでもない。まだ何者でもない一人の研修医が、周りの人間たちとどのように関わり、どう成長していくのか。カルテに書かれていることから、諏訪野が何に気づき、どのように患者と向き合うのか。「もう医療ドラマはおなかいっぱい」という人でも、人間ドラマとして、笑ったり泣いたりして楽しめる作品になるのではないだろうか。
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