樋口日奈:「この先の方がずっと長い」乃木坂46卒業を経て、今思うこと 2023年は「自分に“肉付けする”年」に

連続ドラマ「かりあげクン」に出演する樋口日奈さん
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連続ドラマ「かりあげクン」に出演する樋口日奈さん

 BS松竹東急の連続ドラマ「かりあげクン」に出演している樋口日奈さん。昨年10月末にアイドルグループ「乃木坂46」を卒業してから初の連ドラレギュラー出演となり、新人派遣社員・清水彩花役で第2話(1月14日放送)から登場している。乃木坂46には1期生として11年在籍したが、「私の中では、この先の方がずっと長いと思っているので、ここから芸能生活をどんどんと更新できたらいいなと思っています」と意気込む樋口さんに、ドラマの話に加えて、今の思いを聞いた。

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 ◇日に日にかりあげクンが気になっていくヒロイン役

 ドラマは、植田まさしさんの人気4コママンガ「かりあげクン」初の実写化作品。主演を戸塚純貴さんが務め、空気を読まないいたずら好きだが、なぜか周りから慕われている永遠の平社員、“かりあげクン”ことかりあげ正太を演じている。1回を3話で構成。劇団「ヨーロッパ企画」が脚本を手がけ、「ジェネレーションギャップ」「○○ハラスメント」など現在の社会で話題になっていることを、かりあげクンが天才的な発想といたずらで笑いに変えていく、痛快ドタバタコメディー”となっている。

 樋口さん扮(ふん)する清水彩花は、ドラマのヒロインとなるオリジナルキャラクター。「なぜ、かりあげクンはクビにならない?」と思いながら日々仕事を一生懸命こなす営業部の新人で、明るく思いやりがあり、5分前行動を心がけるほどの真面目な性格が裏目にでてしまい、いつもかりあげクンに翻弄(ほんろう)されるが、日に日にかりあげクンのことが気になっていく。

 勤め先の「ほんにゃら産業」は、かりあげをはじめ濃いキャラクターの集まり。その中で清水彩花は、いたって普通な派遣社員。また、会社になじむスピードが早かったり、今を生きる“令和な女の子”らしさも持ち合わせている。

 「演じる上では素直でいるというか、作り込みすぎず自然体が一番いいのかなと思っています。周りのキャラクターの個性が強い中、いい意味であまり味付けせず普通の人でいるように心がけていました」

 時として、課長や社長ら昭和のオヤジたちとは対となるような、イマドキな感性の担い手でもある清水彩花が、かりあげのことを不思議がって、日に日に気になっていくのも見どころの一つ。

 「自分と違うことができる人に興味を示すところや、そこで『苦手』とはならず、『どうなんだろう』と探りたくなる気持ちは分かります。私も好奇心旺盛なので知りたくなっちゃいます」

 自身とも重ねやすく、等身大で演じることができたという清水彩花だが、一方で「心の声を表現するモノローグシーンも結構、多い」役でもあったと明かす樋口さん。

 「心の声を少しだけ表情に出すということは初めてで、すごく新鮮でした。しっかり表現しないと映像では伝わらないので、目や顔で心の声を表現することは新たなチャレンジでした」と手応えを語った。

 ◇「乃木坂46の」と頭に付かない樋口日奈として

 同作の撮影は乃木坂46卒業間近の昨年秋に行われていたという。ここから先、樋口さんはどんな役者人生を歩もうとしているのか。

 「年を重ねることで人は深みが増すと思いますし、年を重ねたからこそ演じることのできる役、年を重ねないとできない役もあると思うので、私もいつかお母さん役や、おばあちゃん役が演じられるまでこのお仕事を楽しんで続けることができたらいいなと思っています。(舞台)『フラガール』で自分のお母さん役だった有森也実さんが、本当にすてきだなと心から思っていて。私も有森さんのようにすてきな年の重ね方をして、おこがましいのですが、自分もいつか若い人にそう思ってもらえるような女優さんになりたいです」

 改めて乃木坂46から卒業した2022年を「自分の中で揺るがない決心をすることの大事さや、ブレないことの大切さを学んだ1年」と位置づける樋口さん。「乃木坂としてのお仕事は『これが最後』と思いながらだったので、今まで以上にお仕事のありがたみを強く感じた1年でもありました。今までの総括とともに改めて初心に戻ることができました」とも話している。

 「今年は『乃木坂46の』と頭に付かない樋口日奈として走り出す最初の年でもあります。なので、もっともっといろいろな経験をして、心を豊かにして、表現の豊かさにつながるように自分を充実させたいと思っています。趣味を充実させることも一つの強みになると思いますし、さまざまな出会いの一つ一つを吸収して、自分の力に変えていきたいです。自分に“肉付けする”年にしていきたいです」と目を輝かせていた。

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