わたしの宝物
第6話 生まれ変わったら本当の親子になれるかな・・・
11月21日(木)放送分
10代のころから数々の映画やドラマで活躍し、オンリーワンな魅力を放ち続ける女優の深田恭子さん。2月3日から動画配信サービス「Prime Video」で独占配信されているAmazonのオリジナルドラマ「A2Z(エイ・トゥ・ズィ)」では、既婚者ながら年下の男性に恋をする編集者・澤野夏美役で主演。昨年11月に40歳の誕生日を迎えた深田さんは「30代最後の自分を切り取っていただいて、ありがたいなと思います」と感謝の言葉を口にする。自身を“臆病者”と表現し、「強くなりたい」と40代の目標を口にする深田さんに、今作の撮影エピソードや年齢を重ねることへの思いなどを聞いた。
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ドラマは「第52回読売文学賞」(2000年)を受賞した山田詠美さんの同名小説(講談社文庫)が原作。大手出版社の文芸編集者である澤野夏美(深田さん)はある日、同業者で夫の森下一浩から、1年以上付き合っている女性がいると告白される。怒りや寂しさを感じた夏美は、若い郵便局員・成生と出会い、恋に落ちて……というストーリー。監督は、連続ドラマ「101回目のプロポーズ」(フジテレビ系、1991年)などを手掛けてきた光野道夫さんが務める。全10話で一挙配信される。一浩役で田中圭さん、成生役でダンス・ボーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の片寄涼太さんも出演する。
今作は、撮影時に39歳だった深田さんの“30代ラスト”の映像作品だ。自身も記念すべき作品になったと捉えており、「30代最後の自分を切り取っていただいて、ありがたいなと思います」と感謝の言葉を口にする。
ドラマは30代女性の恋愛、夫婦の関係、仕事の葛藤を描いたラブストーリー。原作や台本を読み、深田さんは「すごく自由に生きている人たちのドラマだな、と思いました。いろいろな幸せの形があるんだな、と。あと、普段はなかなか使わないような、すごく印象的なセリフが多かったので新鮮でした」と語る。
演じる夏美は、既婚者でありながら心の穴を埋めるように年下の成生と恋に落ち、2人の男性の間で揺れ動く大人の女性だ。深田さんは、夏美を「魅力的なものが好きな女性。自分が興味を持ったことを追いかけたいし、自分のものにしたいし、それを自分の言葉で伝えたいという意思がある女性」と表現する。最初は「こんな女性いるんだ」という驚きもあったと打ち明ける。
そんな夏美役を「楽しむことができた」と笑顔をみせる一方で、「自分にこの役が務まるのか」という戸惑いもあったという。「楽しむことはできましたが、1話から10話までいっぺんに撮る新しい撮り方で、撮影時は無我夢中でしたね」と深田さん。撮影を終えた今は「挑戦の連続でした」と振り返り、「こんなにまくし立ててしゃべる役はあまり演じたことがなかったので……難しい部分がたくさんありました」と率直な思いを口にする。
作中では、田中さん、片寄さんとの共演シーンが多い。田中さんとは久しぶりの共演を楽しみにしていたといい、「『圭君、久しぶり!』って言ったら『あ、深田さん、よろしくお願いします』と返ってきて……『あれ、自分の思っていた距離感と違ったのかな』とちょっと寂しかったです(笑い)」と面白そうにエピソードを披露。片寄さんとも撮影前に前室で一緒に過ごす時間が長かったといい、「居心地を良くしてくださって、いい距離感ですごく楽しかったです。自然でいられました」とほほ笑む。
今作について「印象的なセリフが多かったので新鮮」と語っていた深田さん。作品に参加するたびに新しい刺激を受けることに、楽しみを見いだしているのだろうか。そう聞くと「そうですね、『こんな人もいるんだ』とそれぞれの人生を味わわせてもらっているので。今まで知らなかった世界を知ることもできますし」とほほ笑む。
そんな深田さんは、1996年に新人発掘オーディション「第21回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞してデビュー。1998年の連続ドラマ「神様、もう少しだけ」(フジテレビ系)で注目を浴び、以降もさまざまな作品に出演してきた。近年は劇場版も公開された連続ドラマ「ルパンの娘」(同)も話題を集めるなど、長年にわたって第一線で活躍する深田さんだが、歳月を重ねる中である“変化”を自覚しているという。
「年を重ねれば重ねるほど楽になる、と思っていたけれど、もっと臆病になってしまった部分はありますね。『若いころの方が、怖いもの知らずだったな』って……。役に向き合う時間がかかるようになりました」
そんな深田さんの原動力となっているのは、支えてくれる周囲の存在と、その期待に応えようという思いだ。「こんなに周りに助けてくれる人たちがいるから、それに応えたい、という気持ちは常にあります」と深田さん。その支えがなければ「こんなにやってこられなかったと思います」とも口にする。「たとえば、役を提案していただくこと。いつも想像のつかない役ばかりいただいて、みなさんが『なんとしても引き出そう』としてくださっていることが、ありがたいことだと思っています」
現在、40歳。節目の年を迎えた深田さん。これからの40代でかなえたいことは、何かーー。そう尋ねると、少し考えて「強くなりたいです」と意外な答えが返ってきた。
「私、結構臆病者なので。ほんの少しでもいいから、自分に自信を与えてあげたい。『大丈夫、できるよ』って自分に言ってあげたい。いつも、人に『大丈夫かな』とか『どうしよう』と言うのが口癖なので」と、小さく笑顔を浮かべて語ってくれた。
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