放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
女優の吉高由里子さん主演の連続ドラマ「星降る夜に」(テレビ朝日系、火曜午後9時)に出演中の吉柳咲良さん。北村匠海さん扮(ふん)する遺品整理士の青年・柊一星に思いを寄せる女子高生・北斗桜を演じている。演じる桜について「似すぎなくらい似ている」と語る吉柳さんに話を聞いた。
◇「演じていて違和感がない」 役名は自身と同じ“さくら”
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「星降る夜に」は、吉高さんが紫式部役で主演する2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の脚本を担当する大石静さんのオリジナル作品。感情を忘れて孤独に生きる35歳の産婦人科医・雪宮鈴(吉高さん)と、音のない世界を生きる25歳の遺品整理士・柊一星の10歳差の恋を描く。
吉柳さんは、出演が決まった時の気持ちを「ドラマに出られることが純粋にうれしかったです。とにかく『頑張ろう!』って思いましたね」と振り返る。劇中ではろう者の一星と手話で会話をするシーンも多く、実際に演じる手話の動きを動画に収め、繰り返しチェックして練習を重ねているそう。「手話をやる方々って表情がすごく豊かで、感情がまっすぐに伝わってくるんです。それを演技に反映させられたらいいなって意識しています」と語った。
演じる桜の印象を聞くと「貫禄がある子」と即座に答えた。そのうえで、「冷静で客観的に物事を見ることができるタイプだと思うんですけど、一星の前だと急に女の子らしい一面もあって。でも基本的にはしっかり者で、芯がしっかりある子だなっていう印象です」と話した。
そんな桜と自身について「似すぎているくらい、似すぎてて」と笑う。特に話し方や言葉選びが似ているといい、「セリフが違和感なくスッと入ってくる感じで。覚えやすくていいなと思いました(笑い)」と明かす。
また、漢字は違うものの、役名も自身の名前と同じ“さくら”。「(役の)名前が“さくら”なので、現場で『桜ちゃん、お願いします』って言われるとちょっと不思議な感覚ですね。撮影中も“さくらちゃん”って呼ばれるので、それも演じていて違和感がない理由の一つかもしれません」と話した。
一方で、「今の私だから桜に似ているっていうのはあると思います。仕事を通していろんな経験を積んできた今だからこそ、桜のフラットな性格が理解できているんじゃないかなって。きっと少し前の私だったら、全く違う桜になっていました」と語り、「このタイミングで演じられてラッキーでした」と笑顔を見せた。
クランクインする前、吉柳さんはプロデューサーから一通の手紙をもらったという。その手紙を読み、「自分の物差しで決めつけることって良くないな」と改めて感じたと明かす。
「このドラマは登場人物それぞれがさまざまな問題を抱えているけれど、それが良いとか悪いとかじゃなくて、“そういうもの”として描かれているんです。一星がろう者であることも、このドラマの中では誰も特別視していない。周りも全て受け入れているし、『それがなんだ』って。そんなフラットな考え方に心打たれました。誰もが悩みや心配事を抱えて生きていると思うけれど、このドラマに込められたメッセージが、きっと見てくださった方の心を救うきっかけになるんじゃないかなと思います」
第6話以降、桜にある大きな出来事が起こるという。「ネタバレになっちゃうから言えないのが残念なんですけど、そのシーンを演じるのがすごく楽しみです。桜ってやること全てが突拍子もなくて、ちょっと破天荒っていうか、『どうした急に?』って思っちゃうような子なんですよ(笑い)。我が道を進んでいるところや真っすぐなところがかっこいいですよね。きっと皆さんにも、そんな桜の言動を楽しんでいただけるんじゃないかなと思います」と目を輝かせた。
吉柳さんは「高校を卒業したらもう大人ですから。いろいろと挑戦したいなと思いますね。アクションとか、大好きな歌とか……。やれることなら何でもやりたいです! 『私が全部やります』みたいな気持ちでいます(笑い)」とほほ笑む。
これまでに演じてきた役を振り返り、「今回の桜もそうですけど、自分と似ている役を頂くことが多くて。どこか『引き寄せられている』みたいな感覚になることがありました」と語る。今後は“変わった職業”の役にも挑戦したいと明かし、「コスプレイヤーの役とかすごくやってみたいです(笑い)。コスプレイヤーって元々何かのキャラクターを演じている訳ですから、何か演じている人をさらに演じるっていうのが面白そうだなって。ワクワクしますね」と楽しそうに話す。
今までは「自分で吉柳咲良というキャラを作っていた」と告白する。「話し方とか服装もそうですけど、『私に求められているのはこういうのだろうな』って意識してキャラクターを作ってしまっていたんです。でも本当は、素の私を知ってもらいたいし、嘘をつきたくない。これまで隠してしまっていた素の部分をさらけだしていきたいです。本当はかわいらしい服装よりもかっこいい服装が好きで、(赤いレザースカートを履いた)今日の服装も自前で用意したもの。元々あるイメージを取っ払って、今の私を見てもらえるように自分らしく生きていきたいですね」と言葉に力を込めた。
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