趣里:「ブギウギ」ヒロインは「人生の楽しさを教えてくれる」 歌うことに苦手意識も「役と共に音を楽しめるように」

連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロインを務める趣里さん
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連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロインを務める趣里さん

 10月2日にスタートする2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」でヒロインを務める趣里さん。本作は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」などの名曲を歌った戦後の大スター・笠置シヅ子(1914~85年)の人生をモデルにしたオリジナルストーリーで、趣里さんは主人公の花田鈴子を演じる。「皆さんに楽しんでいただけるドラマを届けたい」と意気込む趣里さんに、鈴子を演じる上で意識していることや見どころなどについて話を聞いた。

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 ◇「ボイトレの先生と二人三脚で」歌を猛特訓

 「ブギウギ」の主人公・鈴子は、大阪の下町の小さな銭湯の看板娘として育つ。幼い頃から歌って踊ることが大好きで、小学校を卒業すると道頓堀の梅丸少女歌劇団(USK)に入団。抜群の歌唱力で頭角を現した鈴子は上京し、人気作曲家・羽鳥善一(草なぎ剛さん)と出会う。羽鳥の指導を受けた鈴子は、人気歌手になっていくが……というストーリー。

 鈴子のキャラクターについて、趣里さんは「モデルとなった笠置さんの舞台(の映像)を見て、ものすごいエネルギーと明るさをもらいました」と話す。

 「笠置さんの人生にはいろいろなことがあった上で、『それでも明るく生きていこう』という前向きさは、今の時代を生きる人にとっても、自分にとっても必要なこと。やっぱり、生きているといろいろあるじゃないですか(笑い)。音楽を通して、人生の楽しさを教えてくれる気がしています」

 演じるに当たって、歌を猛特訓したという趣里さん。「素晴らしい歌手の笠置さんがモデルということで、歌を本当に頑張らなければいけないなと。ボイトレの先生と二人三脚で、普段の呼吸の仕方とか発声の仕方からやり始めて、劇中で歌う楽曲もたくさんあるので、その都度、細かくレッスンを受けています」と語る。

 もともと歌うことは好きだが、「人様に聞かせるほどじゃないし、それはちょっと……と思っていて。苦手意識があったんです」と吐露。しかし、指導を受ける中で「どんどん楽しくなっていった」と振り返る。

 「自分でも歌を楽しめるんだ、という新たな発見がありました。劇中でだんだん大人になっていく鈴子と共に、私自身も音を楽しめるようになっています」

 ◇鈴子の“葛藤”に共感

 鈴子は歌や踊りと真摯(しんし)に向き合い、必死に稽古(けいこ)に励み、歌手としてメキメキと成長していく。そんな鈴子について、趣里さんは「最初の方は、才能がないと悩んだり、自分がどうしていいか分からない。でも、好きで好きでしょうがないからやるしかないっていう葛藤みたいなものに、すごく共感しました」と語る。

 「自分自身の経験に重なる部分もありましたし、鈴子と私は性格も似ているところがあって。『あはは』って笑って過ごしながらも、一人になったときはちょっと悩んでいる、みたいなところは近いかもしれません」

 鈴子を演じるに当たり、あえて役作りはしなかった。「鈴子って、家族や羽鳥先生など周囲の人から影響を受けるキャラクター。だから、何かをするというよりも芝居の流れに身を任せる」ことが必要だと考えたのだという。

 「お芝居の中で起こった一つ一つの出来事を新鮮にとらえるようにしています。無駄なことは何も考えず、役者同士のやり取りを感じて、『なんか面白い人来た!』みたいな(笑い)。そういう感情を純粋に受け取るように意識しています」

 劇中では、鈴子の舞台のシーンがターニングポイントごとに描かれるという。

 「鈴子の集大成、ターニングポイントとして、舞台のシーンがたびたび登場するので、そこに注目してほしいです。いろいろなことが起きて、展開がすごく早くて、見てくださる皆さんも忙しい感情になるとは思うのですが、面白い役者さんがたくさん出てくるので、純粋に物語を楽しんでいただけたらうれしいです。皆さんも『ブギウギ』の世界に入り込んで、かき回されてほしいです」

 ドラマは10月2日からNHK総合、月~土曜午前8時ほか(土曜は1週間の振り返り)で放送される。

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