ブギウギ:「即決でした」チーフ演出が語る“ヒロイン子役”澤井梨丘の抜擢理由 ドラマ経験なしも「堂々と演じてくれた」

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の一場面(C)NHK

 趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。今作でチーフ演出を務める福井充広さんが、ヒロインの子供時代を演じる澤井梨丘(さわい・りおか)さんについて、起用した理由や、魅力について語った。

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 ◇見た瞬間「似てるぞ」 オーディション終了後に「ちょっと引き留めた」

 澤井さんは2010年11月生まれ、大阪府出身の12歳。約700人の中からオーディションで鈴子役に抜擢(ばってき)された。第1回放送直後から、コミカルな演技や抜群の歌唱力、趣里さんによく似た顔立ちが視聴者の間で話題になった。

 オーディションを振り返り、福井さんは「最初に見た時に『(趣里さんに)似てるぞ』と。それが第一印象で、お芝居を見る前から注目し、彼女があの顔立ちで、良い芝居、良い歌を歌ってくれたら申し分ないぞという期待感を持ってオーディションに臨みました」と明かす。

 実際に澤井さんの芝居を見て、「僕らの間で即決でした。通常はあまりやらないんですが、オーディションが終わった後にちょっと引き留めて、髪の毛を切れるかと聞いて、すぐ撮影準備に入れる体勢が整うかどうか、確認を取ったくらい、澤井さんは光っていました」と絶賛した。

 子役のキャスティングは「朝ドラのつかみの部分で非常に大切なところ」のため、福井さんは「その部分においては『これでいけるぞ』という印象を持ちました」と澤井さんの起用に自信をのぞかせる。

 ◇現場でも「みんなに愛されるキャラクター」

 澤井さんはこれまでに映画やCM、舞台への出演経験はあったものの、ドラマに出演するのは初めて。芝居のセンスは素晴らしかったが、1日に何シーンも撮影する朝ドラの現場にどれくらい対応していけるか、不安な部分もあったという。しかし、澤井さんは初めてにもかかわらず、「見事にこなしてくれました」と振り返る。

 澤井さんの魅力について、「レッスンを受けて獲得したスキル、いわゆる判を押したようなお芝居じゃないんです。彼女の感性で、自然に、純粋無垢(むく)に、無邪気に演じてくれる。僕らとしては、そういうお芝居をカメラに収められたことがすごく大きなことでした。それは彼女が(ドラマが)初めてであることが功を奏したというか、澤井梨丘という女の子の素の部分、彼女の持っている人柄、性格も含めて、今回の福来スズ子の少女時代に合致したと思います」と語った。

 現場での澤井さんは「みんなに愛されるキャラクター」だといい、「終始笑顔で明るく振る舞っていて、あの笑顔で現場にいられると周りの大人たちも空気が柔らかくなります。現場の空気作りという意味においてはムードメーカーです」と話す。

 「初めての経験ですので、セリフを間違えるとか、臆するところもあるんだろうなと思っていたんですけど、まったくそういうこともなくて。(両親役の)柳葉敏郎さん、水川あさみさんという大先輩を前に、堂々と花田鈴子を演じてくれた」ことに驚いたという。

 そんな澤井さんについて、福井さんは「お芝居、歌、踊り、そして周囲に愛される人柄を兼ね備えた奇跡の組み合わせの持ち主ですね。撮影現場で、いつも通りの澤井さんでいてくれて、それをお芝居に生かしてくれたことがありがたいです」と感謝していた。

 「ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲を歌った戦後の大スター、笠置シヅ子さん(1914-1985年)が主人公・花田鈴子(福来スズ子)のモデルとなる。笠置さんの人生を、激動の時代の中で、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けた歌手の波瀾(はらん)万丈の物語として大胆に再構成。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。

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