終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―
最終幕 隠蔽を許さない…遺品整理人、最後の戦い
12月22日(月)放送分
趣里さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)に出演している橋本じゅんさん。梅丸少女歌劇団(USK)の音楽部長・林嶽男を演じている。林は、歌劇団の現場責任者で、強面だが、実は優しく面倒見が良いという役どころだ。橋本さんが「気骨を持って挑もう」をテーマに演じているという林役についてや、現場の雰囲気について語った。
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橋本さんのテレビデビュー作は、1992年度後期の朝ドラ「ひらり」だった。20代だった当時を振り返り、「神戸出身の自分としては、東京に負けないようにと意地を張って、ふだんは言わないのに『でんねん!』『まんねん!』と関西ことばを“盛って”話していました(笑い)」と語る。
「それから30年以上、大阪制作の朝ドラからのオファーを待って、待って、待ちくたびれるほどだったので、出演することが決まりとてもうれしかったです」
林を演じるにあたり、「気骨を持って挑もう」をテーマに取り組んでいるという。
「台本を読み込み、撮影も進んでいく中で、林部長の中に東京に対する(才能への)嫉妬と憧れが生まれます。具体的なせりふとしては台本にないのですが、東京から新しいもの、良いものが来ることを実感しながら、それでも『大阪がいちばん。負けてたまるか』という気骨の精神が強くなっていきます。なので、気骨の精神を自分が持つために、キックボクシングのジムに通い始めました。とてもきつくて毎回泣きそうになりながらも、気骨のある林部長を体現するために続けています」
一方、劇団員たちとのシーンは「私のままで演じている部分が大きい」と明かす。
「私も舞台人ですし、実際にいま大学の舞台芸術学科で教員として学生に教えています。普段から若い感覚を持った方たちの指導をしているので、今回の林部長は自分と似ている部分も多いと思います。劇団員たちのステージを見守るシーンも、私自身が劇団を作っていた経験があったので、何か特別な役作りをしたということもあまりありませんでした」
女性キャストが多い撮影現場では、「皆さんがキャッキャと言っている様子を、楽しそうだなと見ていた」という橋本さん。演じる林と同じように「できるだけ彼女たちを見守る存在」であることを心がけていたといい、「なるべく皆さんの雰囲気の邪魔にならないように意識しています」と話す。
そんなふうに劇団員たちを優しく見守る林は、第22回(10月31日放送)で、稽古(けいこ)場で歌うスズ子に「やっぱスズ子は歌かも知れんなぁ」「大和も言うてたんや。スズ子の歌はいつか化けるかもしれん、てな」と語りかけた。
第23回(11月1日放送)では。久しぶりにUSKを訪れた大和礼子(蒼井優さん)とスズ子の会話を、離れた席から林部長が耳をそばだてて聞いているシーンが印象的だった。
これらの場面に、SNSでは「林部長がスズ子を愛のある目で見守ってるのが分かる」「ずーっとこうやって見守って来たんだよね」「先見の明がある」「林部長の言葉が現実になる日が待ち遠しい」といった声が上がっていた。
橋本さんは「劇団の少女たちが成長していく様子を視聴者の皆さんに見ていただきたい」と話し、「人が生まれ持ったものは、簡単に変わるものではないと思います。しかし、こんな意外性を持って大きくなっていくのかという彼女たちの成長が、皆さんの応援歌になればいいなと思います」と考えを明かす。
「きっと、ここまで撮影が進んで、私が彼女たちを育ててきたという感情になっているのだと思います。林部長が育てた少女たちが、こんなふうになるなんて誰が想像できたでしょうか。彼女たちの簡単には諦めない『しなやかな粘り腰』の精神が、視聴者の皆さんに伝わればいいなと思っています」
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