水曜日のダウンタウン
決まり衣装芸人、M-1予選前日のロケで衣装が汚れるくだりが発生したらさすがに躊躇しちゃう説 ほか
11月13日(水)放送分
NBAは4月15日(日本時間)でレギュラーシーズンが終了し、17日からは第7シードと第8シードを決めるプレーイン・トーナメントがスタート。そして21日からはプレーオフが始まり、両カンファレンスから勝ち上がってきた計16チームがファイナル制覇を目指してし烈な戦いを繰り広げる。プレーオフを連日生中継するWOWOWでは、バスケットボールアナリストの佐々木クリスさんが、プレーオフの見どころ、楽しみ方などを独自の視点で語った。
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ボストン・セルティックスは圧倒的で歴史的な強さです。エースのジェイソン・テイタムの他にも、ジェイレン・ブラウンがいます。これまではどちらかというと、テイタムが1番手、ブラウンが2番手という印象があったかもしれないですけど、今ではどちらが1番手なのか甲乙つけがたいぐらいブラウンが成長しています。セルティックスは若さゆえに、ターンオーバーなどミスが出てしまうチームだったのですが、そこも改善され穴がなくなっています。クリスタプス・ポルジンギスやドリュー・ホリデーは加入1年目ですけど、周囲と以心伝心で1年目とは思えないほどフィットしています。
おそらくセルティックスとオクラホマシティ・サンダーが最も現代的な戦術を駆使するチームです。現代的というのは3ポイントを効果的に活用してドライブも積極的に仕掛ける。これはよく自転車の前輪と後輪に例えるのですが、ペイントアタックがないともちろんダメですし、3ポイントを活用することでペイント内の煩雑さを解消する。ここは共存関係があるので、どちらにブレーキがかかっても、最高のオフェンスは構築できず目的地に到達できないことを考えると、この両方がしっかり機能しているセルティックスとサンダーはすごく強いです。
ナゲッツは、現役最強選手の二コラ・ヨキッチがいます。今季はおそらくキャリア3度目のMVPを獲得すると予想します。昨季王者がファイナルに進まない画は描きにくいぐらい、このヨキッチには支配力があり、重要なゲームになればなるほどその力が発揮されます。ナゲッツは先ほど圧倒的に強いといったセルティックスに対して今季2勝していますし、本気のゲームになった時のギアの上げ方が全く違います。
強いていえば、彼だけ2秒先の未来を予見しながらプレーしている感じですね。ヨキッチは見えているものが違います。最近のナゲッツは、ジャマール・マレーが不在で落とすゲームも増えていますけど、ヨキッチは遊んでいるとは言わないまでも、どこまで相手を欺けるかとか、相手を操れるかとか、先々を踏まえて試している感じに見えます。スターウォーズのジェダイみたいに相手を操れる感じですね。例えばジェダイが「あなたは扉を開ける」みたいに言うような感じで、ヨキッチがディフェンスに「あなたはこっちに動く」と言って動かして、逆にパスを出すみたいなイメージです。そして操った先にチームメイトたちがあうんの呼吸で反応しています。そんなナゲッツのカギを握るのは、アーロン・ゴードンなので、ヨキッチとゴードンの動きを見ているのは面白いと思います。
僕は4位くらいに予想していましたので上位にいるのは不思議ではないのですが、ここまで首位争いに絡んでくるとは思いませんでした。その中で、何と言ってもリーグトップのディフェンスが好調の要因です。オフェンスでは通称“アントマン”のアンソニー・エドワーズが、いよいよ球団の顔として攻撃を牽引しています。特に彼のダンクシュートは、アベンジャーズに出てくるアイアンマンが叩き込んでいるのではないかと思わせるぐらいの跳躍力で人間離れしています。このエドワーズとルディー・ゴベアの2人が最重要プレーヤーだと思いますが、ベテランのマイク・コンリーがその2人をうまく操っています。コンリーは古き良き時代のポイントガードで、うまく手綱を引いて最高のバランスになっています。ただディフェンスのチームなので、ヨキッチがいるナゲッツやセルティックスなどと比べると、終盤にオフェンス力が低下する課題を乗り越えることが、彼らのプレーオフでの成功を左右すると思います。
なんといってもチームの柱はSGA(シェイ・ギルジャス・アレクサンダー)です。彼が昨季からMVP級の領域に入ってきて、いよいよ今季は正当なMVP候補の一人になったわけです。SGAがすごいのは分かっていたけど、正直言ってサンダーが50勝するとは思いませんでした。NBAで最も平均年齢の若いチームの一つがここまでの戦いをするとは思っていなくて、好調の理由の一つはチェット・ホルムグレンが即戦力で活躍していることです。3ポイントも打ててブロックも凄い、リーグ屈指のストレッチファイブです。とにかくサンダーは1年目、2年目の選手たちの貢献度がすさまじいです。ペイントアタックする選手と3ポイントを打つ選手が、“ウニいくら丼”みたいに最高級の状態でそろっています。SGAは4シーズン連続でリーグトップのドライブ数をマークしていますし、その周囲に優秀なシューターがいます。そんなサンダーは手に負えない状態ですね。SGAの他に注目して欲しい選手は“ジェイダブ”の愛称で親しまれているジェイレン・ウィリアムズ。来年のオールスター出場は堅いと思うほどの選手です。プレーオフになると経験がものを言うと言われますが、サンダーに関してはそういったことは問題ならずに勝ち進むチャンスは十分にあると思います。
東カンファレンスだと、フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードです。出場1分あたり1点以上を超える得点力は、現代バスケでは考えられません。現1位のセルティックスにとって1番の天敵となりそうなのがエンビードです。ミルウォーキー・バックスはデイミアン・リラードです。ヤニス・アデトクンボとコンビ結成1年目で本領発揮できるか楽しみです。そして意外とオーランド・マジックが下克上を起こすのではないかと注目しています。特にパオロ・バンケロは要チェックです。彼は現代的なオールラウンダーで、次世代のレブロン・ジェームズに近い要素を持っています。NBA2シーズン目で、しかもパワーフォワードで攻撃をけん引するのは、類まれなる支配力やプレーの読みを持っていると思います。プレーオフになると、バンケロのような大柄なサイズで何でもこなせるフォワード選手が重宝されます。とても良いディフェンスもするマジックのリーダーであるバンケロが、彼らに少し足りないオフェンスの部分で突き抜ける何かを見せてくれるとマジックは台風の目になると思います。
上位チームについては先ほど話した通りですが、やっぱりロサンゼルス・レイカーズのレブロンとゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーですね。レブロンが39歳、カリーは36歳。この年齢で彼らがプレーしていることに感謝して、噛み締めています。彼らが見せるパフォーマンスの生き証人となれること自体が、僕の一つの大きな喜びになっています。
2020年にレブロンとアンソニー・デイビスで優勝した時は相手を飲み込む運動能力とディフェンス能力で、そこからファストブレイクで勝つチームという印象があったと思います。デイビスがいるチームは常にディフェンスのチームと思っていて、どれだけそのディフェンスのポテンシャルが発揮できるかっていうのをずっと考えてきましたが、実は今シーズンのレイカーズは2月に入ってからオフェンスがリーグ2位に到達しているぐらいオフェンシブなチームに変貌しました。さらに同じ2月以降だと3ポイント成功率1位がボストンの40.6%で、2位がレイカーズの40%です。この爆発的なハイパーオフェンスを維持するためには、3ポイントが必要不可欠です。デイビスとレブロンの2人合わせたペイント内の得点が1試合で25~30得点。ただそのペイントの煩雑さとか、相手がペイントに集中して守るのを解消するためには、ディフェンスを広げないといけない。
その中で今季の八村選手は引き立て役ではありますけども、デイビスやレブロンと一緒にプレーすること、そして彼らと一緒にプレーするためには何が必要かっていうことが、いよいよ腹落ちしてからのパフォーマンスが非常に高いと思います。だからこそ2月15日のユタ・ジャズ戦でキャリアハイの36得点を記録しましたし、32点取った3月28日のメンフィス・グリズリーズ戦ではキャリアハイの3ポイント7本成功させました。これまではキャリアの中では中間距離の2ポイントと3ポイントの日が1対1ぐらいの割合だったところを、今はミドルレンジ1本に対して3ポイントは2本ぐらいと2倍の頻度で3ポイントを放っています。常に3ポイントだけ打っていくとディフェンスも守りやすいですけど、八村選手はドライブする判断が良くなっているので、3ポイントを見せつつ、レブロンとデイビスの合わせで飛び込んでそこからのダンクとかバリエーションが多彩です。こういった判断力とショットセレクションが向上して、レイカーズのオフェンスに上積みを作っています。それがレイカーズにとってすごく大きいことだと思います。
プレーオフではディアンジェロ・ラッセルが1番のキーマンです。オフェンスの爆発も彼がけん引しているところが多くあって、ラッセルの得点力がガクンと落ちるだけでチームの勝率も落ちると思います。そのラッセルに次いでカギを握るのが先ほどの八村選手の活躍です。
八村選手が先発に据えられてからの25試合は、フィールドゴール成功率が58.5%で3ポイン成功率が44.7%と本当に判断がいいですね。自分が動いたときにパスをもらって、これまではオープンだったらそこで打つか打たないかだけだったところを、最近はディフェンスの動き次第でそこからパスを流すとかそういった幅にも広がっているので、八村選手の成長はすさまじいです。
そしてディフェンスの伸びしろを誰が一番持っているか考えた時に、年齢的に厳しいがレブロン自身がディフェンスをすることが一つ目の伸びしろ。二つ目の伸びしろが八村選手だと思います。これが八村選手をラッセルに次ぐキーマンに推す理由です。八村選手は秀でたアスリートでNBAの中でも限られた選手しか持ってないような才能を持っています。オフェンス能力は折り紙付きで、どんどん成長を見せています。あとはNBAに入った時から期待されていた万能なディフェンダーに本当になれるかなれないか。八村選手にとって、進化が問われるプレーオフに大注目です。
※WOWOWでは4月17日からのプレーイン・トーナメントを東西のうち1試合を生中継(放送&配信)し、もう1試合をWOWOWオンデマンドでライブ配信。プレーオフも一日1試合を生中継(放送&配信)し、5月20日ごろの開幕が予定されている「プレーオフ カンファレンス決勝」と6月7日に開幕する「NBAファイナル」は全試合を生中継(放送&配信)する。
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