海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、主人公の寅子(伊藤さん)の弟・猪爪直明を演じている俳優、そして「BE:FIRST」メンバーとしても活躍中の三山凌輝さん。第二次世界大戦後、直明が無事に戻って来たことは、猪爪家はもちろん、視聴者にとっても明るい話題となった。まさに“好青年”という言葉がぴったりの直明をどう演じているのか、朝ドラ初出演の三山さんに胸の内を聞いた。
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直明は純粋な性格で家族思い、責任感が強く、家計を支えるため自分を犠牲にしようとするような一面も持っている、という役どころ。父・直言(岡部たかしさん)は死の間際、「直明ができすぎる子だから、本当に俺の子なのかと疑ったこともある」と言い残したほど、真面目なキャラクターだ。
初の朝ドラ出演が決まった時は「ただただうれしかった」という。
「朝ドラは歴史、伝統のある作品。そこに携わるのが目標でもあったので、出演したかったです。これからの役者人生でも、『虎に翼』が大切な作品になるだろうなと、クランクイン前から確信していました」
直明と自身とを比較し「根本的な熱量、素直さは似ていると思う」と話す。
「そんなに真逆な人間ではないと思います。直明はまだ人間として成長段階にある青年。家族からも愛情をすごく受けていると思いますし、幸せな人間でもあると思います」
朝ドラ出演が決まると、たくさんの反響があった。「いろんな方から声をかけていただき、昔からのファンもびっくりしていましたので恩返しができたかな」と喜ぶ。
BE:FIRSTのメンバーからは、“朝ドラ俳優”と祝福を込めて呼ばれることもある。
「ラフな感じで、すごく応援してくれています。雰囲気を含めて、グループとしても変わらずにいてくれるのはやりやすい。ホーム感と言いますか、帰る場所があるのは新しい感覚。(BE:FIRST)は特別な存在だなと思いました」
周囲からサポートや応援を受けた三山さんも、初めての撮影は「落ち着きがなかったです(笑い)」と振り返る。緊張もあった中、気さくで親しみやすい伊藤さんの立ち振る舞いに感謝する。
「沙莉さんのお兄さん(お笑いコンビ『オズワルド』の伊藤俊介さん)がBE:FIRSTのファンでいらっしゃる話をしてくださって(笑い)。あとは僕の母が沙莉さんのファンで、舞台も見に行っていて。そういうきっかけからも盛り上がって、笑顔も人としてもすてきです」
伊藤さんが、気軽にコミュニケーションがとれる存在である一方、「正直、ありえないぐらいです」とスイッチが入った時の芝居には“圧倒”されるという。
「さっきまで楽屋で爆笑していたかと思えば、本番のお芝居で大泣きしたり。お芝居の流れがあればまだ分かるんですけど、泣くカットから始まっても、一瞬でスイッチが入るんです。本当にすごいなと思いますし、迷いなく(寅子を)演じている気がします」
三山さんが「虎に翼」の脚本を担当する吉田恵里香さんの作品に出演するのは、NHKのドラマ「生理のおじさんとその娘」に続き、2作目となる。
「決してきれいごとだけでなく、人間のリアルさみたいなのが台本に落とし込まれていると思います。生理のおじさんの時も感じましたが、テーマが攻めていると言いますか。吉田さんは『勉強しながらなんとか書いてます』と言ってましたが、“なんとか書いている”なんてクオリティーじゃないんですよ(笑い)」
物語は戦前から前後にかけてが舞台となっているが、三山さんは「現代社会とリンクする瞬間も多いと思います。共感できる、心にすっと入って来るような話もあります。一方で、コミカルな部分もありますので、重くなりすぎずに、すてきなバランスで楽しめると思います」とドラマの魅力を語る。
その上で、寅子の大切な弟・直明として「お姉ちゃんのそばでどういうあり方をしているか、今後のストーリーも楽しみにしてくれたらと思います」と視聴者に呼びかけた。
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