竹野内豊:「あんぱん」名言連発の寛から「学んだことがたくさん」 「流行語大賞に選ばれてほしい」せりふ明かす

連続テレビ小説「あんぱん」で柳井寛を演じる竹野内豊さん(C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」で柳井寛を演じる竹野内豊さん(C)NHK

 今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、柳井嵩(北村匠海さん)の伯父・寛を演じた竹野内豊さん。穏やかな人柄と包容力で、嵩の道しるべとなるようなせりふを連発するなど、ひときわ存在感を放っていた寛だが、第41回(5月26日放送)で亡くなり、ドラマから“退場”した。竹野内さんは寛をどのような思いで演じたのか、話を聞いた。

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 ◇意外にも朝ドラ出演は初めて 寛役の印象は?

 これまでに数多くの作品に出演してきた竹野内さんだが、意外にも朝ドラは本作が初めて。オファーを受けたときを振り返り、「いろんな人から『なんで朝ドラ出ないの?』と言われていましたが、お声がけがなかったらやりようがないですよね(笑)。いつかチャンスがあったら参加してみたいなという気持ちがあったので、お声がけいただき光栄でした。朝ドラって本当に見ている人が多くて、行く先々で温かい言葉をかけていただいて、想像以上の反響の大きさに驚きました」と明かす。

 演じる寛は、柳井医院の院長をつとめる町医者。嵩や千尋(中沢元紀さん)にとっての育ての父で、どんなときも二人を励まし続け、生きる道しるべを示すというキャラクターだ。そんな寛について、竹野内さんは「誰に対しても分け隔てなく、広い心を持つ、本当に人格者そのもの」と印象を語る。

 「ただそれは恐らく、今までの人生が希望に満ちた明るい面だけではなく、その真逆の側面、暗闇や絶望も経験しているからこそなのではないかと思います。そんな寛に説得力を持たせるにはどうしたらいいかと考えたとき、いつもその絶望の部分を自分の腹の底に置くイメージを持って演じていました。一人の医者としても、寛は今まで多くの人と出会い、さまざまな人生のあり方や終わり方を見届けてきたはずで、自分なりの死生観を持っているでしょう。その重みを寛の役柄に反映させたいと思いました」

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 “育ての父”を演じるのは本作が初めてだったといい、「寛も妻の千代子(戸田菜穂さん)も自分たちの子供がほしいという気持ちはあったと思いますが、嵩と千尋との出会いは2人にとってそれ以上の大きな財産なのではないかなと思います」と寛に思いをはせる。

 「寛は自分が関わる全ての人々を愛情を持って受け止め、時にちょっとした人生のヒントになる言葉を与えたりと、周り全体をふっくら包み込むような人。そういう姿勢は今の時代に必要なものだと思いますし、私自身、寛から学んだことがたくさんあります。寛のような町医者は、今の時代もどこかに存在するのでしょうか。ああいう先生がいてくれたら、うれしいですよね」

 ◇印象に残った寛のせりふ


 寛は劇中で心に響く名言を連発し、視聴者の間で「名言製造機」「高知一の人格者」などと話題になった。

 「ガツンとくるような心に響くせりふがとても多かったのですが、どうしたらその一つ一つのせりふを深みをもって表現できるか考えていました。やなせさんの作品から引用したせりふも多く、もともと耳馴染みがいいこともありますが、土佐弁になることで、より親しみやすく、多くの方々に届いたのかもしれません」

 寛が口にした数々の名言の中でも特に印象に残ったせりふを尋ねると、「どのせりふも本当に素晴らしいのですが、一番共感できたせりふは『人生は喜ばせごっこや』ですね」と回答。

 「すっと心に落ちてくるというか、確かにそうだなと思ってすごく共感できました。誰もが不安を抱えて生きている、そういう時代じゃないですか。こういう精神が日本中に広まっていけば、素晴らしい国になると思いますし、自分も含め、一人でも多くの人がそのような意識を高めることができれば、きっとすてきな未来が約束される気がします。だから、本当に『人生は喜ばせごっこや』が皆さんのはやり言葉になって、『たまるかー!』と一緒に流行語大賞に選ばれてほしいです(笑)」

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