あんぱん:第100回の注目度 ピークは午前8時11分の74.7% ぎくしゃくする嵩とのぶに視線が集中

連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合・月~土曜午前8時ほか)の第100回(8月15日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」の1分ごとの推移を調べたところ、第100回で最も注目度(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)が高かったのは、嵩(北村匠海さん)とのぶ(今田さん)の“ギクシャク度”がピークを迎えた午前8時11分の74.7%だった。

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 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。

 ◇最高値は午前8時11分の74.7% 内緒で働くのぶを嵩が目にする場面

 第100回は、ミュージカル公演が成功裏に幕を閉じた後の話。ぼんやりし、マンガにも今一つ力が入らない様子の嵩を訪ねて、たくや(大森元貴さん)がやって来る。「また一緒に楽しい仕事をしよう」という誘いにも、嵩は聞く耳を持たない。ついには、のぶと嵩の関係もぎくしゃくしてしまう。

 テレビの前の視聴者のうち、画面にクギヅケになっていた人の割合を示す、この日の「注目度」は、主題歌が流れるオープニングが始まった午前8時1分に最低の58.2%を記録すると、2人の“ギクシャク度”が高まるとともに、小さな山を何度か作りながら「注目度」も少しずつ上昇していったように見える。

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 最初の小さな山は午前8時3分の67.3%。たくやが嵩に「永ちゃんも言ってたけど、柳井さんはきっと歌の詞が書ける人だと」「僕もそう思います」と話し、自分が曲を付けるから一緒に仕事をしようと誘う場面。嵩は「何言ってるんだよ。僕は漫画家なんだ」とにべもなく断るが、横で立ち聞きするのぶがちょっと楽しそうなのが印象に残る。2人の対応の違いはこの後の展開に不安を感じさせる。

 その後、「注目度」は緩やかに低下するが、やってみてはと言うのぶ(今田さん)に、嵩が口出ししないでくれと感情的になる午前8時5分の64.3%で反転。次の小さな山は、のぶが嵩に内緒で手伝っている八木(妻夫木聡さん)の雑貨店に蘭子(河合優実さん)がやってくる午前8時7分の72.4%。「嵩さんには内緒で」「いずれはバレるのやないかえ」という姉妹の会話に不安がさらに増す場面だ。

 再び少し下がって、午前8時11分に74.7%の最大のピークを迎える。この時間は、雑貨店を訪れた嵩がついに接客しているのぶの姿を目撃してしまう場面だ。

 「のぶちゃん……何で……」と混乱する嵩に、八木は「少し前から手伝ってもらってるんだ。のぶさんはお前に好きなことをやらせるために、2人分働いているんだよ」と説明する。2人は一体どうなるのか? 

 どしゃぶりの中、帰宅した2人。嵩はのぶを抱きしめ、「のぶちゃんばっかり、苦労かけてごめん」と謝罪。2人の間のギクシャクは一気に解消する。この辺の「注目度」は意外にもやや下がっている。視聴者はどちらかというと、緊張感が増す場面の方が画面にクギヅケになるようだ。

 最後の小さな山はエンディング前の午前8時14分で70.6%。2人がぬれた体を拭きあっていると、近くに雷が落ち、部屋がまっ暗に。のぶは懐中電灯のスイッチを入れ、手で明かりをふさいでみる。のぶは赤く光る手を嵩に見せながら、「ほら、血が流れゆう」と笑う。嵩も手に懐中電灯を当て、「手のひらを、すかしてみれば、真っ赤に流れる、僕の血潮……」とつぶやく。

 嵩が口にした言葉は、やなせたかしさんが作詞を手がけた「手のひらを太陽に」の歌詞の一部。あの名曲が生まれた瞬間? 語りを務める林田理沙アナウンサーの「おや……この詩……。ほいたらね!」というナレーションも印象に残った。このラストの場面は「ぎくしゃく」とは無関係だが、視聴者も引き付けられたようだ。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。

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