ばけばけ:第16回の注目度 オープニング後は常時70%超続く“安定飛行” 初の80%台に突入した場面とは?

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第16回(10月20日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、第16回の最高値は午前8時11分の82.0%だった。80%台の注目度は「ばけばけ」で初めて。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇オープニング後は常時、70%以上の“安定飛行”

 第16回は、傳(堤真一さん)が亡くなり、機織り工場が倒産。トキ(高石さん)は職を失ってしまう場面でスタート。借金取りの森山(岩谷健司さん)は容赦なく松野家に返済を要求し、トキに遊女となるよう提案する。それでも、なんとかなるとお気楽な松野家の面々の中、銀二郎(寛一郎さん)は一人、危機感を覚える。

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた注目度は、借金取りの森山が松野家にやってきた午前8時1分台は68.9%と、70%台目前まで迫ったが、直後に始まったオープニングで急降下。それでもオープニングが終わった午前8時4分台で72.7%と70%台に突入すると、エンディング前の午前8時14分台まで、70%以上を維持し続けた。あまり見られないほどの高高度の“安定飛行”が続いた形だ。

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 ◇遊郭で客引きも始める そんな銀二郎を責める勘右衛門

 オープニング後の内容はこんな感じだ。銀二郎は森山の紹介で、遊郭で客引きも始めた。昼は荷運び、夜は客引き、さらに内職までこなし、朝から晩まで働き続ける銀二郎の苦労は相当なものだった。

 ある晩、銀二郎が客引きをしていることを司之介(岡部たかしさん)から聞き出した勘右衛門(小日向文世さん)が、銀二郎のもとにやって来る。「我が家の格が下がる」と責める勘右衛門に、銀二郎は「格を気にしとる暇はございません!」「おじじ様もいっそ鎧(よろい)や刀を売って金を作ってはいかがですか?」と反論。勘右衛門は「お主が恥をさらして得た金など松野家には要らん!」と声を荒らげる。

 深夜に帰宅した銀二郎はトキの手を引き外に連れ出し、「どこか……どこか遠い街で……暮らしませんか? だ~れも知らん街で……二人きりで」と持ちかける。銀二郎は遊廓の客から、都会には山ほどの仕事があって給料も良く、松江では聞けない怪談がたくさんあると聞いたという。トキが困惑し、答えられないでいると、銀二郎は「忘れてください。こがな、ざれ言」と言う。

 ◇目を覚ますと銀二郎はいない 最高値は午前8時11分の82.0%

 注目度は多少のアップダウンはあれど、オープニング後はほぼ右肩上がりに上がってきた。深夜、銀二郎が「遠い街で二人きりで暮らしませんか」とトキを誘う場面の後半に当たる午前8時10分台は5ポイント、一気にダウンしたが、午前8時11分台にはすぐ約10ポイント盛り返して82.0%と、「ばけばけ」で初の80%台を記録した。

 そんな午前8時11分台は、翌朝の松野家。布団で目を覚ましたトキは銀二郎がいなくなっていることに気付く。置き手紙には「おトキちゃん、辛抱が足りず申し訳ございません。一家の皆様。立派な当主になれなかったこと、お許しください」とつづられていた。「いやー」と思わず、トキは悲鳴を上げる。目覚めたフミ(池脇千鶴さん)がトキに声をかけるあたりまでが午前8時11分台だ。

 「甘えちょった……。ずっと一緒だと思って甘えちょった……」と涙を流し悔やむトキ。その後は、勘右衛門が鎧や刀を売って用立てた金で、トキは銀二郎を探すため東京に向かう。期待度はラストに向かって急速に下降していったが、最終盤の午前8時14分台も73.8%と比較的高い注目度のままだった。

 我慢に我慢を重ね、借金苦の松野家のためにと働いてきた銀二郎が松野家を飛び出した場面は、「そろそろ」と視聴者の誰もが予感していたと思われるが、やはりなかなか衝撃的な場面だった。トキの悲鳴もさらにインパクトを増した。東京に出奔するという波乱の幕開けで、今週はどんな展開になるのだろう?

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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