フェイクマミー
最終話 2人のママは娘を守れるか!?心で繋がる家族の運命
12月12日(金)放送分
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第54回(12月11日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時6分の71.3%だった
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第54回は、快気祝いパーティーの席で、ヘブン(トミー・バストウさん)が語り始めたアメリカ時代の“失敗”の回想の続き。視聴者も見ていて息が詰まるような、悲しい過去が語られ続けた。
テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」のグラフはこの日、序盤の松野家の場面こそ、低かったものの、オープニング後にヘブンの回想シーンが再開されると、70%前後を上下する状態が最後まで続いた。回想シーンはテレビドラマには珍しく、吹き替えに頼ることなく、全編字幕で通したが、注目度が大きく下がることはなかった。
この日の最高値71.3%を記録した午前8時6分は、ヘブンが警察に駆けつけ、逮捕された妻のマーサ(ミーシャ・ブルックスさん)と対面する場面。当時のオハイオ州では異人種間の結婚は禁止されており、黒人をルーツに持つマーサと結婚したことで、ヘブンは新聞社を解雇されてしまう。自分のせいだと自暴自棄になったマーサは、カミソリで大家を切りつけたのだという。前日の第53回から、予想はしていたものの、想像以上の結婚の結末に衝撃を受けた視聴者も多かったのがこの数字になったのかもしれない。
その後の回想シーンや、快気祝いパーティーの様子はやや注目度が下がるが、午前8時11分から最後まで69%台と比較的高い注目度が安定して続く。ヘブンがパーティーから帰宅し、プロポーズの結果が気になっていたトキ(高石さん)が「いかがでしたか? きょうは」と聞くあたりから。元気がないヘブンの様子を気遣うトキに、ヘブンは「ありがとう」と礼を言う。
約4分間、セリフはそんなに多くない。また派手な出来事が起こるわけでもない。ヘブンはリヨ(北香那さん)にもらったウグイスをかごから逃がす。それを見て、リヨのプロポーズがうまくいかなかったことを確信したのだろう。トキは同じようにリヨから贈られた湯たんぽを石で割ってしまおうとし、慌ててヘブンが止める。展開はそれだけだが、パーティーの結果を想像させるとともに、落ち込んでいたヘブンを笑わせたトキは、ヘブンにとって必要不可欠な存在になりつつあることが感じられるいい場面だった。
ただウグイスを逃がした後の、湯たんぽを巡る展開は視聴者にとってちょっと意外だったかもしれない。一体、どういうこと? この後、何が起こるの? そんな雰囲気が視聴者を最後まで画面にくぎ付けにさせた理由かもしれない。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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