ちょっとだけエスパー
最終話 Si,amore.
12月16日(火)放送分
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第56回(12月15日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時7分の68.6%だった
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第56回は、前週の物語から続く金縛りに相変わらず悩まされているヘブン(トミー・バストウさん)がトキ(高石さん)の勧めでお祓いに出かける。大雄寺の住職(伊武雅刀さん)からヘブンがお祓いを受ける様子を見守ったトキのワクワクが隠せない表情が楽しい回だ。
テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」はこの日も、中盤の午前8時7分に一度、大きな山をつくっただけのシンプルなグラフを描いた。
この日の最高値68.6%の午前8時7分は、トキと錦織(吉沢亮さん)の会話のシーン。出勤前のトキを松野家に尋ねた錦織は、ヘブンと距離を置いている理由をトキに説明し始める。快気祝いパーティーの席でヘブンが語った「私は通りすがりの人間だ。もう人と深く関わることはない」という言葉を聞き、「私と先生の半年以上の付き合いは何だったんだろう」と疑問を感じた錦織は、ヘブンと深く関わるのをやめたという。
話を終え、トキの前から去ろうとした瞬間、「あっあ、お待ちください」と何かを思い出した表情のトキが呼び止めるあたりからが午前8時7分台。「お祓いって、どげなふうに説明したらいいんでしょうか」。トキのその言葉の後、場面はヘブンの部屋に。金縛り状態から目覚めたヘブンのもとに、トキは錦織に書いてもらったであろうメモを手に駆けつけ、お祓いに行こうと説明を始める。カタカナのフリガナを抑揚なしに読みあげる下手な英語だが、なんとか通じる。ヘブンのためになんとかしたいという、トキの必死さは伝わってくる場面だ。
ドラマの終盤は、大雄寺でお祓いを受けるシーン。お祓いが終わり、住職とヘブンが会話をするあたりから、注目度が再び上がり始め、午前8時14分に65.9%と小さな“山”を作った。
「オハライ、オモシロイ」と喜ぶヘブンに、住職は「せっかく気に入っていただけたなら……面白い話を聞いていただきませんかの?」「我が寺に伝わる……怪談がございまして」と切り出すあたりからが午前8時14分台。怪談好きのトキは、思わず「えっ!」と大きな声を上げてしまう。正木から「怪談」は「階段」ではなく、「幽霊の話」だと説明されたヘブンは、「ゼヒ、ネガイマス!」と頭を下げた。住職が「なら墓地のほうへ……」と促し、第56回は幕を閉じる。
ちなみに大雄寺は実在する松江の寺院で、松江城の南西方向、私鉄「一畑電車」の松江しんじ湖温泉駅の近くにある。ここに伝わっていた怪談「飴を買う女」という子育て幽霊の話は、幼いころに母親と別れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)にとって、特に思い入れがあった好きな怪談だったと言われる。いよいよ、ヘブンと怪談を巡る物語がここから始まるようだ。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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