ばけばけ:怪談の世界にどんどんはまっていくヘブン 視聴者もトキの怪談にクギヅケだったのか? 第59回の注目度データ

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第59回(12月18日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時14分の62.0%だった

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇序盤のピークは「新婚」のようなヘブンとトキの会話

 ヘブン(トミー・バストウさん)はトキ(高石さん)が語る怪談にすっかりはまってしまった様子。翌朝、まだまだ聞き足りないから、学校を休むと言い出しかねないほどだ。第59回は、トキが「鳥取の布団」に続き、「子捨ての話」を語る。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」は全体的にかなり低調。ピークの最高値が62.0%と、通常回ならベースになるはずの60%台に乗るのがやっとの状態だった。この日のグラフは、序盤、中盤、終盤にそれぞれ1回、“山”を作った。最高値は最後の終盤の“山”だった。

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 序盤の“山”の頂点は60.6%の午前8時1分。初めて怪談を聞かせた翌朝、トキがヘブンの家に着くと、徹夜で「鳥取の布団」を字にしていたとヘブンは興奮気味で待っていた。また聞かせてほしいとヘブンが頼むあたりからが午前8時1分台。トキは「何遍でも、何十遍でも、話しますけん」と応じると、「デハ、チュウガッコウ、ヤスム」とヘブン。慌てるトキに「ジョウダン」とすました表情のヘブンがかわいい。「ソノキモチ、アル。スグカエリマス」「大急ぎで。待っちょります」。笑って見つめ合う2人の会話はまるで新婚カップルのようだ。

 ◇終盤のピークは“松野家コント” 怪談は注目度ダウン

 中盤の“山”は午前8時6分(61.6%)で、松江中学校の場面。「なんてすがすがしい朝だ」。そんな気持ちを英語で語り、生徒に書き取らせている様子を見て、錦織(吉沢亮さん)は何があったのかと考え始める。ヘブンのお祓いに付き添った生徒の正木(日高由起刀さん)から、ヘブンが寺の住職から怪談を聞き泣いていたこと、怪談を詳しい人を探していることを聞き、ヘブンの思いを想像し始める。

 続く午前8時7分以降は、帰宅したヘブンにトキが「子捨ての話」を語る場面だが、注目度は時間を追って、どんどん下がっていく。ヘブンが怪談にはまっていくのに対し、視聴者の関心はそれほど怪談には注視しているわけではないようだ。

 終盤に“山”ができたのは、エンディング直前の午前8時14分。この日の最高値62.0%を記録した。この時間帯も実は怪談とは直接、関係ない。「遅いのお」。帰りが遅いトキを心配する父親の司之介(岡部たかしさん)ら松野家の様子が描かれる。「まったく怪談のことになったら、あの子はねえ」と母のフミ(池脇千鶴さん)はあきれ気味。司之介に「おまえが遅い、遅い、言わんでいい。余計遅くなる」としかっていた祖父の勘右衛門(小日向文世さん)まで思わず「遅いのお」。恒例の“松野家コント”の締めが注目度の最も高まった場面だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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