良いこと悪いこと
最終話 真犯人、だーれだ?
12月20日(土)放送分
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第61回(12月22日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時12分の69.2%だった
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第13週は、ヘブン(トミー・バストウさん)が机の上に大切に飾っている写真の女性、イライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックスさん)と、トキ(高石さん)の元夫、銀二郎(寛一郎さん)がそれぞれ松江を訪れる。初日の第61回では、イライザから突然手紙が届き、慌てるヘブンの様子などが描かれた。
テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」はこの日も全体的にやや低調。グラフは“山”を何度か作ったが、少し目立った“山”は序盤と終盤の各1回だった。
序盤の“山”はやや小ぶりで、頂点は午前8時2分の65.9%。夜な夜なヘブンに怪談を語るトキはこの日、怪談「小豆とぎ橋」を語っていた。いったん休憩に入ったトキは、銀二郎が松江にやってくるという4月最初の土曜に仕事の休みをもらえるよう、ヘブンにお願いする。「4月初め、土曜、休み、ほしい」。トキがそう告げると、ヘブンは「ドウゾ」と二つ返事でOKする。
この後が午前8時2分台。トキはさらに、ヘブンに海外に帰ってしまうのか尋ねるが、ヘブンは「ナンデ? ニホンゴ、ガ……」とはぐらかす。トキもすぎに「なんでも、なんでも」と言うと、「『小豆とぎ橋』、もう一遍、語りますけん」と話題を変える。2人のなかで、互いに相手が大切な存在に変質していることを感じさせるシーンだった。
終盤の“山”は、この日の最高値69.2%の午前8時12分を頂点に、午前8時13分(68.0%)や午前8時14分(67.7%)まで比較的高い注目度が続いた。
午前8時12分台は、ヘブン宛ての郵便物を持った配達人がやって来たところにちょうどヘブンが帰宅するあたりから。ヘブンが手紙を受け取ると、そのまま一人で散歩に出かける。急ぎ散歩に出かけるヘブンを見送るトキは、すでに何かをしっぽをつかんだかのような表情をしていて、楽しい。
4月最初の土曜に休みが欲しいというトキから、「知り合い……松江来る。私会います」という理由を聞いた途端、「ホリュウ(保留)」と返答していたヘブンだったが、散歩から戻ると、なぜか一変。トキに「オーケー。ヤスム、ドウゾ。シリアイ……アウ……ドウゾ!」と伝える。
この続きが午前8時13分以降。帰宅したヘブンから休みを許されたトキが「でも、なして? 急に」と聞くと、ヘブンは「ブシニ、ニゴン、ナイ」。トキが「武士ではございませんが」と突っ込みを入れると、すぐに手紙を求め書斎にこっそり侵入する。
手紙の差出人の名前をメモしたトキは、錦織(吉沢亮さん)に見せる。錦織は、差出人はイライザで、ヘブンが大切にしている写真に写っている女性だと説明する。ドラマは松江にやってきたイライザや銀二郎の姿で終わる。
自分の気持ちにしっかり気づいていないヘブンと、トキ。イライザと銀二郎の乱入で、今週は大荒れの展開になりそうだ。視聴者のクギヅケ度を測る「注目度」はどのように変化するだろうか。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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