BEGIN:家族そろって楽しめるライブ番組「うたの日コンサート2010」 WOWOWで放送

「うたの日コンサート2010」の様子=WOWOW提供
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「うたの日コンサート2010」の様子=WOWOW提供

 祝いの席やお祭りなど沖縄で日々の暮らしの中に当たり前にある「うた」に感謝して、お祝いしよう!と、3人組バンド「BEGIN」の純粋な思いから01年に始まった「うたの日コンサート」。10周年を迎えた今年も6月26日に沖縄県西原町の西原マリンパーク多目的広場で開催された。

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 午後4時、沖縄交響楽団が開会を宣言するように、どこよりも早い沖縄の梅雨明けの空に向けて高らかに音楽を解き放ち、コンサートが始まった。続いて、17歳のシンガー・ソングライター、なゆたさんが登場。ウクレレを弾きながら歌う彼女の南風のようなさわやかな歌声に、熱気をおびた海風も涼しく感じてしまうほどの心地よさだった。

 南風から嵐へ。今注目の沖縄のバンド「2 Side 1 Brain」がステージに登場し、爆音の中に内包したエネルギーをシャウトするボーカルで伝える。予告通り魂を揺さぶる音楽だ。BEGINをステージに呼び込んで、会場の人たちと一緒に「Beautiful days」を歌う。

 ここで雰囲気は一転。ビートが刻まれ、「Perfume」がステージに現れた瞬間、会場はクラブ状態に。ステージ前のエリアはもちろん、後方の芝生エリアの女の子たちも「かわいいね!」と話しながら、笑顔で一緒にPerfumeダンスを繰り広げた。

 さらに空気が変わった。八重山のご長寿バンド「白百合クラブ」の登場だ。三線とアコーディオンの音色で、人生という年輪を重ねた歌が心にしみる。そして女性たちの踊りも空気を和ませる。「憧れのハワイ航路」ではマドロス姿で、「花売り娘(ロンドンの街角で)」では、孫世代と花売り娘姿で。「サンフランシスコチャイナタウン」ではチャイナ服で踊る姿が実に優雅だ。

 夕暮れの迫った会場に登場した南こうせつさんに、大人たちから大きな歓声が上がった。ギターの弾き語りで、まずは「夏の少女」を披露。BEGINの上地さんと沖縄交響楽団のコンサートマスターを迎えて演奏した「神田川」が、沖縄の夕景にも優しく溶けていく。BEGINのメンバーと一緒に歌ったラストの曲は「忘れなよ島ぬくとぅ(忘れるなよ島のこと)」。本土復帰翌年に初めて沖縄を訪れたという南さんが沖縄への思いを書き下ろし、THE BOOMの宮沢和史さんが歌詞を手がけた曲だ。

 そしてBEGINのステージは、沖縄交響楽団のストリングスカルテットとともにデビュー曲「恋しくて」から始まった。続くウチナー(沖縄の)スタンダード曲「島人ぬ宝」「オジー自慢のオリオンビール」では会場に指笛が鳴り、みな笑顔でカチャーシー(両手を頭上に掲げて左右に振り、足を踏み鳴らす沖縄の踊り)を舞う。

 最後に、この日出演したメンバーがステージに集合して「うたの日」のテーマ曲「うたがうまれる」を観客と一緒に歌った。若者も親子連れやおじぃもおばぁも、みんな同じ空間で同じ時間を一緒に楽しみ、笑顔で“うた”を祝った。これがBEGINの望む「うたの日コンサート」の姿だった。

 このライブの模様を07年から毎年放送してきたWOWOWは、今年も19日午後6時からハイビジョンで独占放送する。(毎日新聞デジタル)

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