渡辺謙:28年ぶりの学生服「ちょっと照れくさい」 SPドラマ「塀の中の中学校」で生徒役に

スペシャルドラマ「塀の中の中学校」の撮影を振り返る渡辺謙さん
1 / 1
スペシャルドラマ「塀の中の中学校」の撮影を振り返る渡辺謙さん

 俳優の渡辺謙さんが、日本で唯一刑務所の中にある受刑者のための公立中学「旭町中学校桐分校」(長野県松本市)を舞台にしたスペシャルドラマ「塀の中の中学校」(TBS系)に生徒役で出演、会見を開いた。渡辺さんは「中学生といっても、12歳、13歳をやるわけじゃない。でも制服も着ますし、体操服も着ます。学生服は27、28年ぶり。ちょっと照れくさかった」と苦笑していた。

 「塀の中の中学校」は、ドキュメンタリー番組「報道特集」(TBS系)で同校を取り上げたのをきっかけにドラマ化されたもので、法務省や「松本少年刑務所」、「旭川刑務所」(北海道旭川市)、同校で35年教壇に立った角谷敏夫さんらが協力し、内館牧子さんが脚本を担当。テレビドラマで初めて刑務所内でのロケも行われた。

 同校は、義務教育修了していない全国の受刑者の中から、刑務所内での生活態度が良好で学習意欲があることを条件に、厳しい選考をへて、認定会議で認められた人のみが入学できる。1日7時間、1年で13科目を学び、20~60代の幅広い年代の生徒が詰め襟の学生服を着て授業を受ける。ドラマは、オダギリジョーさん演じる桐分校教師の石川順平と、渡辺さんや大滝秀治さん、お笑いコンビ「千原兄弟」の千原せいじさんらが演じる生徒の1年間の交流を通じて、生きることや学ぶことの意義を描いた。ほかに、角野卓造さんや蟹江敬三さん、橋爪功さんらが出演する。

 殺人罪で15年の懲役を受けた50歳の川田希望を演じた渡辺さんは「縦軸の、刑務所の中で学校に行くってだけじゃなくて、人生の広がりみたいなものも横軸で書いていただいたので、ある意味、難敵でしたね。これだけの尺(時間)の中で、本当にその人生をぼくたちに背負えと言ってるんだなっていうぐらい重い人生だったので……。ただ、岩手県の花巻市出身という設定だったので、ひとつ方言という武器を与えてもらえた。役に近づくために大きなハシゴになりましたね」と振り返った。

 「桐分校」がある「松本少年刑務所」でのロケについては「当然といえば当然なんですけど、非常に抑圧されたというか管理された空間で、とても特殊な場所なんだなと痛感しました。刑務所の中の“空気”をできるだけ乱さないようにやらせていただいた」と神妙な面持ちで振り返り、「もう収監されてある程度たっているので、一線を越えた人間の危うさみたいなものが、今どういう状況にあるのか、というのが非常に微妙なラインにあると思う。そのにおいをどのくらい出すべきか出さないべきか、難しいテーマを内館さんに突きつけられたなと思いましたね」と話した。

 また、主演のオダギリさんについては「ものすごく役に寄り添っていくタイプの俳優なんだなと思いましたね。役と一緒に悩み苦しみ、答えが出なくても進もうとする……誠実さみたいなものはすごく感じました」と評し、撮影現場では「千原(せいじさん)が結構ムードメーカーだったので、スタジオの前で少しずつみんなと話をするようになりましたね。それから、本当に大尊敬する大滝秀治さんが率先してモノを作っていく。その気迫みたいなものを感じて、新人のころに戻ったようなすがすがしさもありました」と話した。

 渡辺さんは「ぼくの役だけでなくて、(生徒)みんながものすごく複雑なバックグラウンドを持って(桐分校に)来るんですけど、最終的にはある種、本当に中学生のようなピュアな心を持って卒業していく気がするんです。人としての原理的な喜びや人とのつながりみたいなことに目覚めるというか……だから、そういうピュアさという部分では、とても共鳴していただけるドラマになっていると思います」とアピール。「(ドラマは)生きるとは何だろうという答えを、強く強く探し続けている男たちの物語という気がします。学校のあり方や社会のあり方、人と人のあり方を、ものすごく見つめられる作品になっていると思います」と真摯(しんし)なまなざしで語った。

 放送は10月11日午後9時から2時間半の予定。(毎日新聞デジタル)

テレビ 最新記事

MAiDiGiTV 動画

このページのトップへ戻る