ラノベ質問状:「電波女と青春男」 青春が詰まったストーリーにニヤニヤ

入間人間さん著、ブリキさんイラストの「電波女と青春男」(電撃文庫)
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入間人間さん著、ブリキさんイラストの「電波女と青春男」(電撃文庫)

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、「青春ポイント」獲得に血道をあげる主人公と、宇宙人を自称する「電波女」のヒロインのコメディー「電波女と青春男」(入間人間著、ブリキ画)です。アスキー・メディアワークス電撃文庫編集部の三木一馬さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 まさにタイトルの通り、「青春」に全てをかける少年の、悩んだり楽しんだり笑ったり泣いたりするところです。高校生が「青春」を感じるものを、魅力的なキャラクターたちが描いていきます。とくに主人公をめぐる女の子たちの恋愛的なやりとりはニヤニヤしっぱなしで、読んでいるこちらにも甘酸っぱい青春のにおいが流れてきているような錯覚を味わうことができます。現役の方ももう卒業してしまった方も、「こんな青春を過ごしてみたい」と思えるお話になっておりますので、ぜひご一読を!

 −−作品が生まれたきっかけは?

 著者である入間人間さんのデビュー作「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」(来年実写映画も公開されます!)の打ち合わせの最中に、まったく違うベクトルのものを書いてみませんか、とご提案したところからです。「みーまー」はすこしシリアスで重い設定がありますが、そこで動き回るキャラクターたちは、とても元気で明るい人間たちばかりです。彼らが楽しくやりとりをしているシーンはいつ読んでも面白かったので、その成分をふくらませてみてはどうかな、と思ったのがきっかけでしょうか。平たく言いますと、「入間人間が描くラブコメ」を読んでみたかっただけです(笑)。「電波な女の子」との楽しくちょっとヘンな日常、それを入間さんは期待以上に魅力的に描いてくださいました。

 −−編集者として、この作品にかかわる喜び、大変なことについて教えてください。

 原稿が上がってくるペースが早すぎて困っています(笑)。いま、入間さんは「月刊入間人間」と銘打って、毎月新刊を発売しています。じつはこの9月に発売される「電波女と青春男」の6巻で、昨年9月に発売した「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の8巻から始まった毎月刊行がついに1年を迎えます! 入間さんご自身はもちろんのこと、担当編集もその作品群の把握が大変です。お読みいただければわかるのですが、「電波女」に出てくるキャラクターたちが、他作品に出てきたり、逆もまたしかりだったりと、それはまさに入間ワールドともいえるリンクを形成しています。油断していると「あの作品とこの作品がつながったから、その周りの設定を検証しておかないと!」と慌てふためくことになります。ちなみにあまりの執筆速度に担当編集が追いつけず、現在入間さんの担当編集は3人チームで対応しています。それでも足りなかったりすることも……。ちなみに、今年9月は「電波女」の6巻ですが、10月は特別企画(まだ内緒です)、11月は、メディアワークス文庫「六百六十円の事情」でタッグを組んだ宇木敦哉さんのイラストが目印のハードカバー小説「ぼっちーズ」を発売予定です。ご期待ください。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 「青春」は、人生で一度必ず通る道のりです。その時間はとても貴重で取り返せないものですが、なかなかうまく過ごせた!なんて人はいないと思います。甘酸っぱいのならまだいいですが、苦い経験がたくさんあったりするものです。でもだからこそ記憶に残り、思い返すと懐かしく、そして良い思い出ばかりじゃないけど楽しかったなと感じるのではないでしょうか。この小説にも、「青春」がぎっしりと詰まっています。皆さんが過ごしている「青春」とはすこし違いますけど、読んでもらえれば、まさに自分の青春を思い返すことのように、楽しいと思っていただけると思います。TBSでのTVアニメ化も決定して、ますます元気に頑張りますので、なにとぞ応援よろしくお願いいたします!

 アスキー・メディアワークス 電撃文庫編集部 三木一馬

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