注目DVD紹介:「大魔神カノン」 総制作費10億円で大魔神を現代によみがえらせた

「大魔神カノン」のDVD第1巻ジャケット
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「大魔神カノン」のDVD第1巻ジャケット

 テレビ東京系の深夜枠で放送された特撮テレビドラマ「大魔神カノン」のBD(ブルーレイディスク)BOXとDVDが9月から順次発売されている。平成ライダーシリーズの生みの親「仮面ライダークウガ」の高寺重徳さんがプロデューサーを務め、主題歌に森山良子、音楽に「機動戦士ガンダムSEED」の佐橋俊彦を迎えたほか、豪華スタッフが集まった。総制作費になんと10億円をかけ、細部まで気を配った仕上がりになった。

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 主人公の巫崎カノンはボーカリストを夢みて山形県から上京。祖母から、人を信じる心を大切にしなさいと教わったカノンだったが、都会での失恋の痛手から人を信じられなくなってしまい、愛していた歌までも元彼に奪われて、心が揺らいでいた。一方、街には「人に恨みを持つ人間」が転生した悪霊「イパダダ」がうごめき、「オンバケ」と呼ばれる人間に大切にされた器物や動物が転生した正義の妖怪たちが、悪霊との闘いを続けていた……。そしてカノンのことを、ひときわ大きなオンバケである「ブジン様」を歌声でよみがえらせることができる女性だと捜している人物がいた……というストーリー。

 大映の特撮ものの代表格「大魔神」の面影はないが、現代版にするなら及第点だろう。CGあり、アクションあり、そして妖怪というモチーフ……。古さと新しさがほどよくミックスされていて新鮮な作品になった。長門裕之さんや渡辺いっけいさん、柴田理恵さんらベテラン俳優陣が脇を固め、ドラマとしても十分楽しめる。映画「ちょんまげぷりん」の名子役・鈴木福君も出演している。

 BDボックス1は1~9話を収録。BDの特典ブックレットは256ページのフルカラーと大充実。ファンならコレクターズアイテムとして持っていたい。DVDは1巻に2話ずつ収録し9月から毎月発売。第2巻が22日発売。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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