ソ・ジソブ:「放送を見ながら自然と涙がこぼれた」 韓ドラ「ロードナンバーワン」年明けDVD発売

「ロードナンバーワン」について語るソ・ジソブさん
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「ロードナンバーワン」について語るソ・ジソブさん

 朝鮮戦争60年に合わせて企画、130億ウォンの制作費を注ぎ、激戦とそこで繰り広げられた3人の男女の愛や友情、裏切りなどの人間模様を描いた全20話の韓国ドラマ「ロードナンバーワン」が5日からWOWOWで放送中だが、11年1月1日にエスピーオーからDVDが発売されることが8日、明らかになった。ソ・ジソブさんやキム・ハヌルさん、ユン・ゲサンさんという韓国の人気俳優がこぞって出演。ヒットドラマ「天国の階段」「美しき日々」のイ・ジャンス監督、ドラマ「犬とオオカミの時間」のキム・ジンミン監督という2人の名匠が演出を担当した。このほど来日したソさんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 −−多くのオファーの中からこの作品を選んだ理由は?

 まずシナリオに力がありました。ストーリー全体がすごく気に入ったんです。それと、(演じた役の)イ・ジャンウというキャラクターに強く引かれたのも大きかったです。シナリオの完成度とキャラクターの魅力において、もう二度とこんな作品に出合えないかもしれない、そんな風に感じさせるものがありました。俳優という職業を長くやっていると、直感のようなものが働くんです。一方で、最初にオファーをいただいたときは心配にもなりました。痛ましい朝鮮戦争を題材としているけれど、自分にそれが表現できるだろうか? うまく演じられず迷惑になるのではないか?と思って悩みました。でも、俳優なら常に新しい作品でレベルアップしたいという欲を持っているものです。それで、この作品に出演したら俳優としてもう少し成長できるのではないかと考えて挑戦しました。シナリオが最後まで出来上がっていたので、そういう意味で信頼感がありました。ただ撮影を終えた今は別の思いも生まれました。この作品に関しては、シナリオや演じるキャラクターの魅力をお話するだけでは不足なんです。一緒にこのドラマを作ってきたスタッフや俳優たち、すべてが僕にとっては魅力的でした。

 −−ジャンウを演じる上で準備をしたことは?

 とにかくシナリオを読み込みました。シナリオに忠実であることが第一だと思ったので。肉体的には、少ししぼりました。この時代の人が筋肉隆々というのもおかしいので、運動をしてどうこうというより、食事制限をして筋肉はあまりつけないようにしました。撮影が始まったら、自然に落ちていきましたが(苦笑)。

 −−今回のドラマで一番苦労したことは?

 何もかも大変でしたね。肉体的な面でいえば、(第5、6話)作戦の一つとして絶壁を登るシーンがあるんですが、その撮影がきつかったです。絶壁の一番上まで登ってから、また登り直すんです……。高さは50メートルくらいかな。僕はたいていのことは怖くないんですが、一番上からぶらさがったときは精神的にも肉体的にもすごくつらかったです。他にも危険なシーンも実際にほとんど自分で演じました。でもどちらかといえば、精神的な面での苦労の方が大きかったように思います。というのも、ドラマを最初からではなくて後半から撮影したので。シナリオ自体はできていたのですが、冬場から撮影を始めたので冬のシーンから撮影していったんです。なので、キャラクターの内面の変化を順に追うことができず、どう演じればいいか、感情移入の面で一番悩みましたね。確か12話あたりから撮ったと思いますが、その部分をどう演じるかによって前後のトーンが決まるので精神的にはストレスを受けました。監督と密に話し合いながら解決していきましたが。

 −−激しい戦争シーンとスヨンとのラブシーンを行き来しながら演じられたわけですが、どちらが大変でしたか?

 ラブシーンの方が大変でした。戦争シーンはスペクタクルで迫力がありますよね。そのため、トーンがダウンしないように、ラブシーンの部分も戦争シーンのように迫力を出さなければなりませんでした。

 −−キムさん、ユンさんとは共に初共演となりますが、それぞれの印象を教えてください。

 2人とも、そりが合うというのかな。説明するのが難しいんですが、俳優同士が出会うと、そういう感覚的なものがあるんですよ。それに、やり取りしながら、いろいろと勉強になる俳優がいるんですが、2人ともそういう相手でした。なので、僕はとてもやりやすかったですね。

 −−互いのキャラクターの感情を話し合ったりしましたか。

 3人で演じるシーンのときは、撮影の前にここではどのキャラクターを生かすべきか、という話をよくしました。シーンごとにキーとなる人がいるので。その人が生きてこそ、他のキャラクターも生きてくるわけですから、そこはちゃんと話し合って演じました。

 −−劇中でジャンウとテホは対立関係から友情関係へと変化していきますが、劇中同様、同年代のゲサンさんとは、俳優として競争心を抱くようなことはありましたか。

 競争心はありませんでしたね。むしろ、愛する弟ができた感じです。僕は俳優になって10年以上経ちますが、これまで親しい年下の芸能人はいなかったんです。でもこの作品をきっかけに、ユン・ゲサンという弟ができました(笑い)。男に対して“愛している”という表現はおかしいかもしれませんが、彼にとても親しみが湧きました。キスこそしませんでしたが、愛し合っていたと思う(笑い)。今後も長く付き合っていく関係になるんじゃないかな。

 −−ジャンウはスヨンのどんな部分に引かれていたと思いますか。

 劇中のせりふにも出てきますが、スヨンに母親を重ねていたと思います。それに、その人の内面からにじみ出る何かに知らない間に引かれるということがありますよね? スヨンにはそういう部分があったんじゃないかな。 “ここ”という具体的な何かではなく、スヨンの人間性からあふれ出ているものに引かれていたと思います。そして、そこに母親に似たものを感じたのでしょうね。

 −−全話を通してもっとも印象的なシーン、気に入っているシーンは?

 それは、最初から最後までです! 外すことができる部分が全くないんです。だから、1、2話だけを見て、このドラマを判断してほしくはないですね。最終話まで見て初めて、このドラマの意味すること、与えるものの何かが分かると思うんです。戦争を背景にしていることで抵抗がある人がいるかもしれませんが、その中で生きた軍人たち、男女の愛、隣人などを描いているドラマです。そういう部分の方が戦争よりクローズアップされているところが長所だと思います。それでもあえて選ぶのなら……、スヨンが死んだと思い込むジャンウが、亡くなった戦友たちへの自責も募り、スヨンを思いながら1人でわんわん泣く場面があります。その場面をテレビで見ながら、僕自身も泣いてしまいました。実はこれまで自分のドラマを見て泣いたことがないんです。でも、このドラマについては、放送を見ながら気づくと涙が自然とこぼれているんです。

 −−このドラマを通して、得たものがあるとしたらどんなものですか?

 演技の面で、一歩前に進んだような気がします。違う視点から演技ができるようになったと思う。だから、僕にとってこの作品は、参加できたこと自体幸せなことだったと思います。

 <ストーリー>

 幼いころから同じ村で育ち、お互い淡い恋心を抱いてきた貧しい農家出身のジャンウ(ソさん)と、良家の子女スヨン(キムさん)。やがて職業軍人になったジャンウが戦死したという知らせがスヨンに届き、絶望したスヨンはエリート将校のテホ(ユンさん)のプロポーズを受け入れてしまう。しかし結婚式前日、スヨンの目の前に現れたのは……。戦争によって運命を引き裂かれた3人が、60年間守り抜いた愛と友情の約束とは?

 11年1月1日に1~5巻のレンタル開始、DVD-BOX1を発売。11年2月2日に6~10巻のレンタル開始、DVD-BOX2を発売。DVD-BOXは各1万9950円。エスピーオーが発売・販売。

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