12年のNHK大河ドラマ「平清盛」に主演する俳優の松山ケンイチさん(25)が14日、舞台となる京都と神戸を訪れ、約8時間で両県を往復して4カ所を回る“弾丸ツアー”を行った。午前9時に京都に入り、神戸を訪れて京都に戻り、ローカル放送に出演という強行軍にも松山さんは「気合が入っているので疲れは全くありません」と言い切った。
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平清盛は平安時代末期、武士の一大勢力だった平忠盛の跡を継いで平家を率い、保元の乱と平治の乱の戦いを勝ち抜き、武士として初の太政大臣になり、実質的に天下を握った人物。中国との交易で莫大(ばくだい)な富を握った。大河ドラマではこれまで、辰巳柳太郎さん、仲代達矢さん、金子信雄さんが演じており、松山さんは最年少の清盛役となった。
松山さんは、午前中に六波羅蜜寺(京都市東山区)を訪問した後、神戸に移動して井戸敏三知事を表敬訪問し、矢田立郎・神戸市長と能福寺(神戸市兵庫区)を訪れて京都に戻り夕方、京都府公館(京都市上京区)で山田啓二知事と門川大作・京都市長を表敬訪問した。六波羅蜜寺では、平家の末裔(まつえい)である川崎純性(かわさき・じゅんしょう)山主(さんしゅ)の祈とうを受け、重要文化財の平清盛坐像と“初対面”し、清盛塚などを見学。能福寺の平清盛廟(びょう)前で雲井住職から同廟についての説明を受けた。
松山さんは「(昼食の時間は)ほとんどありませんでした。時間はとってもらっていたんですけど……」と残念そうに振り返ったが、「六波羅蜜寺のそばに僕の好きなコロッケがあって(コロッケを)届けてくれた。それを食べました。うれしかったです」と笑顔を見せた。また今回の歓待ぶりに「京都、神戸のみなさんがこの作品に期待していただいていることがよく分かりました。(京都神戸以外の)いろんな地域の方も注目してくれていると思う。それに対して僕らは応えていかなければいけない。印象に残る新しい平清盛を演じたい」と意欲を見せた。
大河ドラマで平清盛が主役となるのは、1972年の「新・平家物語」以来40年ぶり。清盛は、本当の親を知らないまま、武士の新興勢力・平氏の元で育てられた少年で、平忠盛も養父役という設定。武士が貴族たちから差別されていた時代に、瀬戸内海の海賊を束ね“武士の王”となり、貿易こそがこの国の豊かになる道だと人々に説く……という視点から描かれる。清盛の20~30代をメーンに、清盛の死後、壇ノ浦の戦いまでをドラマ化する予定。(毎日新聞デジタル)
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