話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、ゴスロリファッションをまとった異能の力を持つ美少女とともにさまざまな怪事件に巻き込まれていく主人公を描いた「B.A.D.」（綾里けいし著、kona画）です。エンターブレインファミ通文庫編集部の儀部季美子さんに作品の魅力を聞きました。

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　−−この作品の魅力は？

　「B.A.D.」は異能の美少女・繭墨（まゆずみ）あざかと、ある事情によりあざかの元を離れられない少年・小田桐勤、その2人が人間の負の情念から起こる痛ましい怪異や、恐ろしい事件に出会っていくお話です。繭墨あざかは「ここまで冷たいヒロインが存在したのか！」というほど、冷酷で傲慢な少女です！　彼女はけっして小田桐くんの望む“優しい結末”を導きません。ですが、物語全体を通して見た時、彼女の真意がどこにあるのかを知ることができると思います。また、描写はグロイのに頭に浮かぶ情景は美しかったりと「それだけじゃない」魅力に溢（あふ）れた作品です。

　−−作品が生まれたきっかけは？

　「B.A.D.」は第11回エンターブレインえんため大賞で優秀賞を受賞した作品です。投稿作の時からすでに筆力、構成力と頭ひとつ抜けていたのですが、その中でも“繭墨あざか”というキャラクターが確立されており、強烈な印象を放っていました。その後、改稿を重ねて出版に到ったのですが、彼女のキャラクターだけは応募作の段階から変更されておりません。

　−−作家さん、イラストレーターさんはどんな方でしょうか？

　綾里けいしさんは、生まれる前から胎教で物語を聞かされていたほど、たくさん物語に触れてきた方です。古典名作に限らず、現代美術までと幅広いうえに、ネットスラングとか、今の流行もばっちり押さえているのには脱帽です。

　konaさんは、“可愛くもどこか不気味なテイスト”のイラストを描ける人ということでお願いしました。難しい世界観を見事に表現してくれるだけでなく、さまざまな提案もしていただき頼もしい限りです。実は当初、「あざかはゴスロリ美少女だからロングヘアーだろう」と思っていたのですが、konaさんの提案してくれたボブヘアー版があまりに可愛くて新鮮で、心を撃ち抜かれました。今では綾里さんともども、現在のあざか以外想像できなくなってます。目玉のアクセサリーにもビックリしましたけど（笑い）。

　−−今後の展開、読者へ一言お願いします。

　1月29日には初の短編集「B.A.D. チョコレートデイズ（1）」がでます。こちらは、「B.A.D.」の各キャラクターにスポットを当てたお話となってます。書下ろしで、幼いあざかと、あさとが登場しますよー！　また、2月16日にはドラマCDも発売され、コミカライズ企画もまだまだ進行中で、お話もメディア展開もどんどん広がってゆく予定です！

　「B.A.D.」は連作短編方式なのでサクっと読めると思いますので、ぜひ今のうちにチェックしておくことをお勧めします！

　エンターブレイン　ファミ通文庫編集部　儀部季美子