人気絶頂のまま80年に芸能界を引退した元歌手・山口百恵さん(52)のドキュメント本「プレイバック 制作ディレクター回想記 音楽『山口百恵』全軌跡」(学研教育出版、価格2415円)が百恵さんのすべての楽曲作りに携わった川瀬泰雄ディレクターによる「回想記」という形で出版された。百恵さんのドキュメント本は、複雑な生い立ちからプライベートまでを赤裸々に書いた本人による「蒼い時」(80年)があったが、レコーディングの模様や作詞・作曲者とのやりとり、百恵さんの歌唱解説など「音楽」に焦点を絞ったものは今回が初めて。
ウナギノボリ
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本はA5判ハードカバー本文376ページ。百恵さんがシャウトの入る楽曲「ロックンロール・ウィドウ」(80年)を「人に聞かれたくない」からとスタッフをスタジオ外に出してレコーディングに臨んだこと、シングル「横須賀ストーリー」(76年)の歌詞を百恵さんが最初に見たとき「初めて自分の歌ができあがった」と思ったこと、シングル「秋桜」(77年)は当初、「小春日和」というタイトルだったこと、アルバム「ドラマチック」(78年)に収録された「ラスト・ソング」は谷村新司さんがレコーディング時、「泣きながら歌わせてください」と要求していたことなど、制作者しか知り得ない舞台裏のエピソードを満載。引退後のアルバム「百恵回帰シリーズ」などの楽曲解説まで網羅している。そして歌手として伝説的な存在にまで駆け上がった百恵さんの成長していく姿が、川瀬さんの回想を通して浮かび上がる内容に仕上がっているという。
著者の川瀬さんは東京音楽出版(現ホリプロ)入社後、百恵さんの引退までディレクター兼プロデューサーを担当。歌手の井上陽水さんや浜田省吾さんのプロデュースでも知られ、これまで約1600曲を世に送り出している。(毎日新聞デジタル)
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