女優の吉高由里子さんが主演した映画「婚前特急」(前田弘二監督)の舞台あいさつが2日、テアトル新宿(東京都新宿区)で開かれ、吉高さんらが公開記念舞台あいさつを行った。吉高さんは観客からの拍手に「もっとちょーだい」とご満悦だったが、前田監督について聞かれると「いじめというか、もはや無視。私は監督に嫌われているんだと思いました。みなさんとは笑顔で話すのに、私が近寄った瞬間監督から笑顔が消えて、寂しい思いをしました」とつらい撮影現場を明かした。
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前田監督は「役柄上、吉高さんには常にイライラを維持していただきたかった。つらい思いをさせてしまいました。でも、一歩間違うと嫌な女の子になりかねない主人公を、想像した以上に可愛く魅力的に演じてくださって、仕掛けたのに仕掛けられたのがうれしいです」と吉高さんの演技を絶賛した。
「婚前特急」は、5人の男と平然と付き合っている24歳の池下チエ(吉高さん)が、結婚する気などないのに、ふとしたきっかけで全員を“査定”。そのうち、旅行に行く時は年上のお金持ち、仕事の愚痴は包容力のあるバツイチ、むしゃくしゃしている時はバイクが好きな彼……などの彼氏の中から、ある人が「本当の相手」だったことに気づき……という結婚喜劇。彼氏の一人で食品会社の営業部長・バツイチの西尾みのる役を加瀬亮さん、パン工場で働く男性・田無タクミ役をインディーズ・インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」の浜野謙太さん、田無が思いを寄せる女性・奥田ミカ役を石橋杏奈さん、友人の浜口トシコ役をモデルの杏さんが演じている。
舞台あいさつには、吉高さんはじめ、浜野さん、加瀬さん、前田監督が登場した。撮影の思い出について、吉高さんは「べそかいて泣いちゃったことがあったんですけれど、浜野さんは助け舟を出してくれるのかと思ったら、すーっと現場から出て行っちゃった!」と暴露。劇中でチエの本命、タクミを演じた浜野さんは「吉高は現場を支配するんで、のまれちゃいけないと思って、音楽を聞いていました」と明かし、観客を盛り上げていた。
昨年までイベント会場のテアトル新宿でアルバイトをしていたという前田監督は「ずっとこの劇場でやりたかったので、かなってうれしい」と感慨深げに語り、「これ以上ないスタッフと、僕が思った以上の映画を作れた。幸せです。僕にとって本当に大好きな映画になりまして、それを自信を持って届けられる。最高です」とアピールしていた。映画はテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開中。(毎日新聞デジタル)
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