忽那汐里:「思い入れの強い作品」 主演の地域ドラマが全国放送

「見知らぬわが町」試写会に登場した忽那汐里さん
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「見知らぬわが町」試写会に登場した忽那汐里さん

 NHK福岡放送局が開局80周年を記念して制作した福岡発地域ドラマ「見知らぬわが町」の試写会が18日、NHK放送センター(東京都渋谷区)で行われ、主演の忽那汐里さんと、祖母役のいしだあゆみさんが登場した。九州では10年12月に放送され、全国でも当初今年3月21日に放送予定だったが、東日本大震災の影響で延期され、このほど今月29日の放送が決定。忽那さんは「不安を抱きながら毎日撮影をして、すごく思い入れの強い作品なので、改めて全国放送をしていただけることに感謝をしたい」と控えめに喜びを表現した。

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 忽那さんと共演したいしださんは「汐里ちゃんは本当に悩む孫娘なんですよ。でもスタッフは汐里ちゃんにまず考えさせて、自分で答えが出せるまで待ってあげる。その待ち方がとっても優しいんです。ゆっくりと時間をかけてドラマを作るって久しぶりで、いい経験をさせていただきました」と充実の笑顔で現場の様子を明かした。一方、忽那さんはいしださんについて「常にアドバイスをしてくださった。ここまで直接的にかかわってくださった方は初めて。撮影中いろんな不安が一気に募ってきた時に、いしださんが『何も考えず、空の雲を見ていればいいんだよ』と言ってくださったのが、とても印象に残っています」と感謝の気持ちを表した。

 NHK福岡放送局は、02年度から地域のさまざまな現実を基にストーリーを組み立て、住む人たちの息づかいやその土地の空気感を伝える「福岡発地域ドラマ」を制作。同ドラマはその第8弾として15年前に一人の女子高校生が執筆し、大きな反響を呼んだエッセイを原案に制作された。ドラマの舞台はかつて炭坑で栄えた大牟田市。不登校に悩む竹本望美は、夏休みの最後の日、自転車で町外れに出かけ、巨大な廃虚に心を奪われる。それは町の過去の象徴とも言える炭坑のヤグラだった。閉山後の町を取材する新聞記者との出会い、図書館での資料の発見、望美の祖父・勝男も炭坑夫の一人だったこともあり、望美はどんどん町の歴史にのめり込んでいく……というストーリー。

 忽那さんは「意外と知られていない歴史をテーマに、少女が町を駆けめぐるんですけれど、最後は彼女も目的ができて前に進める。見てくださる方に前向きな気持ちを持っていただけたら」と作品への思いを語った。総合テレビで29日午後1時5分~2時18分放送の予定。(毎日新聞デジタル)

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