成宮寛貴:20分以上のワンカット撮影に「マジで!?」 SPドラマ「最後の晩餐」インタビュー 

スペシャルドラマ「最後の晩餐~刑事・遠野一行と7人の容疑者~」に出演する成宮寛貴さん
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スペシャルドラマ「最後の晩餐~刑事・遠野一行と7人の容疑者~」に出演する成宮寛貴さん

 佐藤浩市さん主演の刑事ドラマ「最後の晩餐~刑事・遠野一行と7人の容疑者~」(テレビ朝日系)が14日午後9時から放送される。「白い巨塔」「14才の母」などを数々のヒット作を手がけた井上由美子さんが脚本を手がけ、“容疑者”役にも安達祐実さん、石黒賢さん、黒木瞳さん、西田敏行さん、中尾彬さんら豪華キャストが並ぶスペシャルドラマだ。“容疑者”の一人、事件の舞台となるレストランのオーナーシェフ・八木沢鷹彦を演じた成宮寛貴さんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ドラマは、レオナルド・ダ・ビンチ作の絵画「最後の晩餐」のレプリカが飾られた豪華なイタリアンレストラン「オステリア・ダ・ヴィンチ」での放火殺人事件から始まり、佐藤さん演じる刑事・遠野一行が、成宮さんをはじめとする豪華な“容疑者”らと対峙(たいじ)し、事件とともに彼らが隠し持つ“暗部”も解き明かしていく。

 成宮さんは「殺人事件の話なんですけど、出てくる人たちもかなりキャラの濃い人たちで、みんな罪深い、ギルティーな感じですよね(笑い)。その人たちとお芝居するのがすごく楽しかった」と笑顔で振り返る。実力派の俳優陣との共演については「緊張しました。でも、撮影に入って2、3日目に全員がバシッとそろって、そのときに何かこのドラマが始まったって感じがして、『うぉおお! このメンツか。すげえなあ!』って感じはしましたねえ」と当時の興奮を明かす。

 撮影現場では演出や演技についても、それぞれが意見を出し合った。「個人個人の芝居では、割と監督に好き放題いえるんですけど、群像になった瞬間にいろんな問題が出てくる。これだけのキャラクターをひとつのところに収めるって、すごく難しいことなんだなあと感じましたし、やっていても難しかったですね」と語りながら、キーパーソン的な役どころを演じきった。「すごくやりがいを感じましたね。板の上に立てば、基本的には、名だたる人とやってても、お芝居の上では平等。ぼくはリードしていかなきゃいけない立場(役柄)だったので、そこでは先輩だからという意識は全部はずしてやってましたね」と役者らしい顔をのぞかせる。

 「設定がすごくドラマチックで、セットも格好いいんですよ。(舞台となる)レストランがすごく格好良くて。個人的にすごく好きな『最後の晩餐』の絵がバーンと飾ってある中で、お芝居をするっていうのもドラマチックでしたね」と楽しげに語る成宮さん。「ただ、全体を通してやっていて切なかったです。結構苦しかったですね。みんな苦しかったんじゃないかな。みんな何かを隠して生きてるから、そのネタがバシバシばれていくって苦しいですよね」と役への没頭ぶりもうかがわせた。

 クライマックスのシーンでは、台本の約30ページ分をほぼワンカットで撮影したといい、「1回やるのに、20~25分くらい。基本的には1回で、カメラが8台(笑い)。人生で初めてですね」と笑顔で明かす。聞いたときは「『まじで!』って思った。あんなに長いのに!って(笑い)。だから、すっごく早いタイミングから覚えてやりましたね」と苦労話も。

 今年で俳優11年目。「昔は20代しか面白くないと思っていて、仕事も遊びもすごく急いでた。あせってたんですけど、あるとき30代も面白そうって気づいたんですよね。そしたら自分のペースを取り戻せた」と語る。「昔は視野を狭めないために何でもかんでも来る仕事は受けてたんですけど、今は、自分にとって意味のある仕事というか、ちょっとハードルが高めのものにトライしていこうと思っていて、そういう作品をじっくりチョイスしてる。これもその一つで、今年はそういう仕事ができていてすごく幸せ」と充実の表情を浮かべた。

 ドラマ「最後の晩餐~刑事・遠野一行と7人の容疑者~」には、本郷奏多さん、柄本佑さん、斉藤由貴さん、ARATAさん、六角精児さん、橋爪功さんらも出演。14日午後9時~同11時21分に放送予定。

 <プロフィル>

 なりみや・ひろき。1982年9月14日生まれ。東京都出身。00年に宮本亜門さん演出の舞台「滅びかけた人類、その愛の本質とは…」で3000人の中からオーディションで選ばれ、俳優デビュー。01年には蜷川幸雄さん演出の舞台「ハムレット」に出演し、02年にドラマ「木更津キャッツアイ」(TBS系)で連続ドラマ初レギュラー出演。その後も映画「NANA」(05年)、「NANA2」(06年)や「ドロップ」(09年)、ドラマ「ブラッディ・マンデイ」(10年)などに出演。昨年はドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」で地上波の連ドラ初主演を果たすなど、テレビ、舞台、映画などで幅広く活躍している。

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