三島由紀夫賞:今村夏子「こちらあみ子」太宰賞と2冠 山本周五郎賞は窪美澄「ふがいない僕は空を見た」

三島由紀夫賞に決まった「こちらあみ子」(左)と山本周五郎賞の「ふがいない僕は空を見た」
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三島由紀夫賞に決まった「こちらあみ子」(左)と山本周五郎賞の「ふがいない僕は空を見た」

 第24回の三島由紀夫賞、山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)の選考会が17日開かれ、三島賞が今村夏子さんの「こちらあみ子」(筑摩書房)、山本賞は窪美澄さんの「ふがいない僕は空を見た」(新潮社)に決まった。

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 三島由紀夫賞は、小説や評論、詩歌、戯曲を対象に「文学の前途をひらく」作品を表彰し、これまで舞城王太郎さんの「阿修羅ガール」や東浩紀さんの「クォンタム・ファミリーズ」が受賞している。山本周五郎賞は小説を対象に優れた物語性がある作品を表彰しており、森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」、伊坂幸太郎さんの「ゴールデンスランバー」などが受賞している。いずれも88年から始まった有名な文学賞の一つ。

 「こちらあみ子」は、風変わりな少女・あみ子の目に映る世界を描いた小説で、第26回太宰治賞受賞作(受賞時の題名は「あたらしい娘」)。初の小説執筆での2冠となる。「ふがいない僕は空を見た」は、高校1年の少年が好きだった同級生に告白されたが、なぜか頭の中は別の女のことでいっぱいになるという物語で、11年本屋大賞の第2位の小説。

 授賞式は6月24日に開かれる予定。(毎日新聞デジタル)

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