爆笑問題:太田光「書いてよかった」初小説「マボロシの鳥」があこがれの藤城さんの影絵で絵本に

「絵本マボロシの鳥」刊行記念会見を行った太田光さん(左)と藤城清治さん
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「絵本マボロシの鳥」刊行記念会見を行った太田光さん(左)と藤城清治さん

 お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんが18日、初小説集「マボロシの鳥」を日本を代表する影絵作家・藤城清治さんの影絵で絵本にした「絵本マボロシの鳥」(講談社)の刊行記念会見を開いた。幼少のころから藤城さんの大ファンだという太田さんは「珍しく今日は緊張しています。幼いころに出会った最初の物語、ファンタジーは藤城さんだった。物を作るうえでの根底なんですね。自分が体験したようなものを自分も作りたいと思った。いま、先生の絵を見たときに、ああ、書いてよかったなと思う」としみじみと語った。

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 「マボロシの鳥」(新潮社)は、芸人の一瞬の輝きを一羽の鳥に託した表題作、砂漠とテロの国で守りたいものを問う「奇跡の雪」、いじめに遭う高校生のプライドを描く「ネズミ」など、太田さんが1年半かけて書きためたという短編9編が収録され、ベストセラーとなった。今回の絵本化の企画は、太田さんが藤城さんに自らの小説を献本したところからスタート。これを一読した藤城さんが「これはまさしく自分の世界だ」と感激し、表題作「マボロシの鳥」に合わせた影絵を藤城さんが担当、太田さんが絵本用に文章をまとめて、刊行されることになった。

 太田さんとともに会見した藤城さんは、「このマボロシの鳥を読んで、こういうものを僕は描きたいんじゃないかなと思った。場所も時代も設定も登場人物も、大きなテーマとしてどこかにつながっている。ぼくが思っているのとぴったりで、これは僕が描かなくちゃいけないと思った」と絶賛。「これだけの本を作るのに、最後まで続くかなと思ったけど、終わりになるにしたがって、乗りに乗ってしまった。僕としては初めて一番力を入れたような、一番の作品というか、後に残せると思う」と自信を見せた。

 太田さんは、「僕のうるさい部分があって、『太田の顔がちらちら浮かんで読んでられない』という評判も聞こえて、落ち込んだりもしたんですけど、先生がイメージにしてくれて、これで初めておれがやりたかった、表現したかったことが完成したんだなあと思う」と満足げ。「絵本にしては、かなり字が多いんので、削ったほうがいいかなと思ったら、『太田君のあの脱線する文章がいいんだ』と先生に言われて自信になった」とうれしそうに話していた。

 「絵本マボロシの鳥」は20日、3000円で発売予定。(毎日新聞デジタル)

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