上川隆也:「遺留捜査」クランクアップも「終わった気がしない」 続編に意欲も

主演ドラマ「遺留捜査」の撮影を終え、インタビューに応じた上川隆也さん
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主演ドラマ「遺留捜査」の撮影を終え、インタビューに応じた上川隆也さん

 俳優の上川隆也さん主演の連続ドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系毎週水曜9時)の撮影がこのほどクランクアップを迎えた。殺人事件の被害者が残した「遺留品」を基に、事件の真相や被害者の思いを解き明かしていく主人公・糸村聡を1クール演じきったが、「終わった気がしない」と語る上川さんに、最終回に向けて見どころなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 クランクアップ直後、撮影現場でインタビューに応じた上川さんは、「終わった気がしないんですよ。まだ糸村の遺留品との日々は続いていくんでしょうし、一つの事件が終わったに過ぎない。撮影終了とともに糸村という役を、『ヨイショ』と肩から下ろすような感覚ではなく、どこか傍らにいるような感覚です」と名残を惜しむ。

 上川さん演じる糸村は、スーツにスニーカー、ショルダーバッグをたすきがけにし、警察官用の白い自転車にまたがって現場に現れるなど独特の風貌で、警視庁刑事部の捜査1課に科学捜査係として参加しているが、他の刑事たちからうとまれることもしばしば。それでも、独自の視点と執着心で、現場に残された遺留品から事件の真相と、被害者の思いを明らかにしていく。

 そんな一風変わった糸村という人物を作り上げていく上で、上川さんは「きっちりした刑事という形から少しずつ半歩、一歩、踏み出して作っていったキャラクターなので、毎話毎話が糸村という人物造形の場だったような気がしますね」と振り返る。1クール演じた上でも、糸村という人物は「正直まだ底が知れない」という上川さん。「まだまだバックグラウンドを描く余地が山ほどある。そこには、ぼく自身もおよびもつかない何かが隠されているようで、それがまた面白いんですけどね。引き出すべきものが、『ドラえもん』の四次元ポケットじゃないですけど、手を突っ込んだときに何が当たるか分からない状態としてある」と役柄の魅力について語る。

 残る10話(15日放送)と最終話(22日放送)は、長谷川初範さんらがゲスト出演しての2話連続のストーリーとなる。上川さんは「これまで、縦軸として描かれてきた江藤奈津子(水野真紀さん)の抱いていた警察に対する確執のようなもの、加賀見・捜査1課課長(大杉漣さん)との関係性も含めて、それが最終2話をまたいだスペシャル編のように描かれます。加賀見さんが何を思っているのか、その一端が明らかになっていく物語になっています」と見どころを明かす。

 同局の水曜9時枠といえば、ドラマ「相棒」をはじめ、シリーズ化されてる人気作品が多い。気になる続編については「(オファーがあれば)喜んでやりたい。むしろ、やらせていただけるものならば、また糸村は自転車に乗って登場するでしょうし。彼の“4次元ポケット”の中身を少しずつ、またみなさんにお届けできる機会が得られるなら、これ以上うれしいことはないですね」と意欲を見せていた。

 ドラマ「遺留捜査」は毎週水曜午後9時~同54分に放送中。

<プロフィル>

 1965年5月7日生まれ。東京都出身。中央大学経済学部在学中の89年に演劇集団キャラメルボックスに入団。NHK70周年記念日中共同制作ドラマ「大地の子」(95年)に主演。98年放送のドラマ「青の時代」(TBS系)でザ・テレビジョン最優秀助演男優賞を受賞。「日刊スポーツ ドラマグランプリ」では第2回から4年連続で助演男優賞を受賞している。NHK大河ドラマ「功名が辻」(06年)では山内一豊役で主演を果たした。09年7月には演劇集団キャラメルボックスを退団。舞台やテレビ、映画など幅広く活躍している。

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