映画「天国からのエール」(熊澤誓人監督)の完成披露試写会が6日、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)であり、主演の阿部寛さんと妻役のミムラさんら出演者が登場した。音楽を志す高校生たちを応援したい一心で無料の音楽スタジオを建て、志半ばで病に倒れた沖縄の仲宗根陽(ひかる)さんの実話を基にしており、阿部さんは「仲宗根さんは全力で生き抜いた人、どう彼の人生を2時間に収めたらいいかプレッシャーだった」と語り「人と人とのかかわり合い、成長、人の力強さがしっかりと描かれている作品」とアピールした。
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仲宗根さんのスタジオからは多くの高校生バンドがプロとして巣立ったが、仲宗根さんは志半ばで病に倒れ、腎臓がんと闘い、余命を知りながらも懸命に活動を続け、09年11月に42歳の生涯を閉じた。生前の仲宗根さんの様子はNHKでドキュメンタリー番組にされ、「僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL」という本にもまとめられた。映画はこの本を原案にしており、妻役にミムラさん、プロを目指す高校生バンドの紅一点役を桜庭ななみさんが演じている。
ミムラさんは阿部さんについて「共演は初めてですが、画面を通して圧倒的な存在感、密度感のあるすごい方」と絶賛。「自分の中で(役作りを)こねくり回しても太刀打ちできないと思い、阿部さんが演じる陽(ひかる)さんを見て自分の演技を決めようと思った。陽さんはエネルギッシュな人だったからそれを支えた奥さんの役割は大きかったに違いないと想像できたので、説得力を出すために優しさや包容力は後回しにして真っ向からケンカができるような相手でいようと思った」と役作りを語り、「横にいたときに存在感として負けたらいけないと思った」と女優魂を見せつけた。
完成披露にはミムラさん、阿部さんのほか熊澤監督、桜庭ななみさん、矢野聖人さん、森崎ウィンさん、野村周平さん、またスペシャルゲストとして主題歌を歌う「ステレオポニー」が出席した。映画は10月1日公開。(毎日新聞デジタル)
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