松田聖子:大河ドラマ初出演 「平清盛」で祇園女御役 印象的な歌声が決め手

12年のNHK大河ドラマ「平清盛」で祇園女御役に決まった松田聖子さん
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12年のNHK大河ドラマ「平清盛」で祇園女御役に決まった松田聖子さん

 歌手で米国の映画やドラマに出演経験もある松田聖子さん(49)が、松山ケンイチさん主演の12年のNHK大河ドラマ「平清盛」に出演することが13日、明らかになった。役柄は、白河法皇(伊東四朗さん)に愛された白拍子(歌舞を演じる遊女・芸姑)の祇園女御(ぎおんにょうご)。歌舞音曲の名手として知られ、清盛の成長を見守ると都を下るが、今回脚本を担当している藤本有紀さんのアイデアで、乙前(おとまえ)と名を変えて後白河天皇(松田翔太さん)の歌の師匠として京に戻り、清盛とも再会を果たす。清盛や後白河天皇が、迷いや孤独を抱えるときによき相談相手となるという。松田さんは「初めて大河ドラマに出演させていただきますが、全力で祇園女御という素晴らしい役を演じさせていただきたいと思います」と意気込みを語っている。

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 磯智明チーフ・プロデューサーは「印象的な歌声の持ち主であるというのは、キャスティングする上での絶対条件でした。聖子さんの清らかで日本人のハートに響く歌声は、時空を超えて、平安時代末期の夢中で生きた人々の生き様を時に優しく、時に華やかに包み込んでくれると思います。また、ドラマのテーマ曲ともいうべき今様(当時の流行歌)の一節『遊びをせんとや生まれけむ』(子供が遊ぶように夢中で生きたいという意味)を聖子さんの声で聞けることは本当に楽しみです」と期待を寄せている。

 松田さんは「台本を読ませていただき、今回、お話をいただいた祇園女御という役に、そして物語にすっかり魅せられてしまいました」と大河初出演を快諾。ドラマには第1回から登場する。これまで祇園女御役を大河ドラマで演じたのは72年の「新平家物語」での新珠三千代さん以来。

 松田さんは80年に歌手デビュー。つねに第一線で活躍するかたわら、女優として数々の映画、ドラマに出演。04年に主演したスペシャルドラマ「たったひとつのたからもの」(日本テレビ系)はアジア・テレビジョン・アワード2005のシングルドラマ部門でグランプリを受賞。10年には米FOX TV の人気ドラマシリーズ「BONES・シーズン5」にも出演している。

 磯チーフ・プロデューサーは「時の権力者・白河法皇と対等に渡り合いつつも、法皇から最も愛されたといわれる祇園女御は、清盛(松山さん)の母親代わりのようでもあり、わがままな天皇・後白河の師匠役としてもかかわるという、ドラマでも重要な役柄です。いつも凛(りん)としていて、いつまでも輝きを失わない女性であり、その意味でも聖子さんはぴったりだと思います。女優としても聖子さんは、既に数々の実績を積んでおられます。大河ドラマというステージで、華麗な平安装束姿を身につけた新たな聖子さんを、そのさらなる魅力を含めて、みなさんにご紹介したい」と松田さんを起用できたことを喜んでいる。

 「平清盛」は、武士が貴族たちから差別されていた時代、本当の親を知らないまま、武士の新興勢力・平氏のもとで育てられた少年が、瀬戸内海の海賊を束ね“武士の王”となり、貿易こそがこの国が豊かになる道だと人々に説く……という視点で描かれる。清盛の20~30代をメーンに、清盛の死後、壇ノ浦の戦いまでをドラマ化する予定。(毎日新聞デジタル)

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