「ドラゴン怒りの鉄拳」でブルース・リーが演じた架空のヒーロー、チェン・ジェンをオマージュした映画「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」が全国で公開中だ。チェン・ジェンをテーマにした映画はこれまでもたくさん作られてきたが、今作は今をときめくアクションスターのドニー・イェンさんと「インファナル・アフェア」シリーズ(02~03年)のアンドリュー・ラウ監督がタッグを組んだ。
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第一次大戦時、中国人労働者たちはヨーロッパ戦線にかり出されていた。チェン・ジェン(ドニー・イェンさん)もその中の1人だった。仲間と一緒に祖国に帰ろうと誓い合っていたが、仲間の1人が銃弾に倒れる……。そして1925年の上海。チェンジェンは銃弾に散った仲間になりすまし、ナイトクラブ「カサブランカ」のオーナー、リウ(アンソニー・ウォンさん)に近づく。ここは中国人企業家、英国官僚、日本の軍人、スパイが出入りする場所だった。チェン・ジェンは日本軍へのレジスタンス活動を極秘裏に行っていた。リウの懐に入ったチェン・ジェンは、歌手キキ(スー・チーさん)と出会い思いを寄せていくが、キキには秘密があった。そのころ、日本軍が反日中国人処刑者リストを公表。仮面の戦士になって日本軍と闘うチェン・ジェンを、指揮官・力石(木幡竜さん)が捜していた……。
描かれている時代が時代なだけに反日色が濃いが、ここはあくまでもヒーローが悪者と対決する映画だとシンプルにとらえよう。冒頭のエピソードも合わせて、主人公の怒りは、踏みにじられる側の怒りだ。主人公の気迫がすごい。そしてアクションが美しい。たしかにカンフー映画だが、1920年代当時の上海のモダンな街並みや女性の装いがきらびやかで楽しく、見どころの一つとなっている。そのほか、長髪の軍人役でEXILEのAKIRAさんが登場する。仮面のヒーローが“スタコラサッサ”的な走り去り方と、蹴られている人の表情などから、実写でありながらアニメを見ているような面白さを感じた。新宿武蔵野館(東京都新宿区)、立川シネマシティ(東京都立川市)、シネマート心斎橋(大阪市中央区)ほか全国で順次公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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