松雪泰子:ドラマへの熱い思いが監督へのプレッシャーに

ABC創立60周年記念スペシャルドラマ「境遇」制作発表記者会見に登場した松雪泰子さん
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ABC創立60周年記念スペシャルドラマ「境遇」制作発表記者会見に登場した松雪泰子さん

 女優の松雪泰子さんが1日、東京都内のホテルで開かれたABC創立60周年記念スペシャルドラマ「境遇」の制作発表記者会見に登場した。メガホンをとった若松節朗監督は「至福の時間と思いきやそうではなくて、女優さんたちにプレッシャーをかけられっぱなしでした」と見えない苦労を語ると、主演の松雪さんは困った顔をしながら「(プレッシャーをかけたのは)私だったかもしれません」と明かしつつ、「監督とは何作もやっていまして、今回大きな作品ですし、本当にいいものにするにはどうしたらいいか、熱い思いをぶつけていました。でもそれは情熱です!」と熱い思いをアピールして会場を盛り上げた。

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 ドラマは小説「告白」などで人気のミステリー作家・湊かなえさんが書き下ろした初のドラマ原作作品で、映画「沈まぬ太陽」で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した若松監督が演出する。5歳の息子・裕太の母として平穏な生活を送っていた高倉陽子(松雪さん)が子供のために描いた絵本が新人賞を受賞する。絵本は、陽子と同じく幼いころ親に捨てられたという境遇を持つ親友の相田晴美(りょうさん)の思い出を描いたものだった。県会議員の夫・正紀(沢村一樹さん)の不正献金疑惑をぬぐい去ろうとした母・弘子(白川由美さん)や後援会長の後藤良隆(岸部一徳さん)らが、陽子を売り出そうと躍起になり、気が進まない陽子を晴美が励ます。その2人の様子を見つめる謎の女性(いしだあゆみさん)。ある日、裕太が誘拐され、「息子を無事返して欲しければ、世間に真実を公開しろ」と書かれた脅迫状が届く。後藤に「警察や正紀とは一切コンタクトを取るな」と止められた陽子は、晴美に助けを求める……というストーリー。テレビドラマでは異例の1カ月のオールロケを長野県松本市で実施した。

 ドラマに3年がかりで取り組んだ湊さんは「文字で書き終わって自分の世界が一つ終わったと思うが、映像化していただけて本当に良かった」と感激し、撮影現場を見に行った時は「文字で自分の中にあったキャラクターが、松雪さんとりょうさんが演じられて、新たに上書きされるようになった。一目見てイメージが上書きされるなんて、すごいパワーだと思いました」と話した。若松監督は、撮影休憩の日に現場で震度5の地震があったことを明かし、「こういうふうにして僕は死んでいくのかなと思いながら、一番初めに手にしたのは台本でした。その後火災が発生してパニックになりましたけれど、何よりも台本を持って逃げました」と作品への愛をアピールした。ドラマは3日午後9時~11時6分に、ABC・テレビ朝日系の全国ネットで放送される。(毎日新聞デジタル)

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