スティーブン・スピルバーグ監督がメガホンをとった3Dアニメーション映画「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」が全国で公開中だ。ベルギーのアーティスト、エルジェが1929年から子ども向けの新聞で連載し、コミック24冊のうちの3作品「なぞのユニコーン号」「レッド・ラッカムの宝」「金のはさみのカニ」が原案となっている。
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記者のタンタン(声:ジェイミー・ベルさん)は、露店でユニコーン号と名付けられた帆船模型を手に入れてから、謎の男に追いかけられるようになる。どうやらその模型には、財宝のありかを記した暗号が隠されているようなのだ。タンタンは、相棒の白い犬スノーウィと真相究明の旅に出る。
かつての自身の監督作「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作「レイダース/失われた聖櫃(アーク)」(81年)を見た人から、「タンタンの冒険」をモチーフにしているのではと指摘されたことでその存在を知り、以来、映画化を切望していたというスピルバーグ監督。30年後にやっと実現できたわけだが、それにプロデューサーという形で協力したのが「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督と、そのシリーズでVFX技術を高く評価され、さらに「アバター」(ジェームズ・キャメロン監督)で観客を驚きの世界に誘ったウェタ・デジタル社だ。
彼らによって描かれたタンタンをはじめとするキャラクターの生っぽさと、動きのなめらかさは、まるで実写を見ているかのよう。半面、アニメーションだからこそ表現できた迫力あるアクションシーンは、かつて「ポーラー・エクスプレス」や「Disney’s クリスマス・キャロル」(ともにロバート・ゼメキス監督)といった同類のアニメーションがあったが、それらと比べても群を抜く出来映えだ。ただ、アクションが際立ったお陰で、物語がむしろ単調に感じられる。シリーズ化の気配があるので、次回作に期待したい。1日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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