田中慎弥さん:5回目の候補で芥川賞受賞 「私がもらって当然」

芥川賞を受賞した田中慎弥さん
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芥川賞を受賞した田中慎弥さん

 17日に第146回芥川龍之介賞(以下、芥川賞)に選ばれた田中慎弥(たなか・しんや)さんが受賞後、東京都内で会見した。おもなやりとりは以下の通り。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

−−今の気持ちを。

アカデミー賞で(大女優の)シャーリー・マクレーンが「私がもらって当然だと思う」と言ったそうですが、だいたいそんな感じ。4回も落っことされて、断っておくのが礼儀。断ったりして気の弱い委員の方が倒れたりしたら、都政が混乱するので。都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる。(会見)とっとと終わりましょう。

−−他の受賞作については?

読んでいないので、分かりません。

−−5回目での受賞についてどう思う?

1回目の受賞が一番いい。5回目はまぬけです。早く終わりましょうよ。

−−20歳のときから毎日書いているとか。

それは昨日(事前会見で)言ったのと同じことなので、終わり終わり。

−−田中さんは働いた経験がないということが話題になっているが、ネットでは「働いたら負け」という言葉もあるが、そんなニートの若者に対して。

人によって状況が違うので分かりません。私は本を読んで小説を書いて作家になったというだけです。

−−携帯をお持ちでないそうだが、どうやって受賞の連絡が来た?

東京都内の飲み屋で待っていて、編集者にプリペイド式の持たされてそれで。

−−誰に受賞を報告?

母に。「よかったわね、おめでとう」と言われた。それだけです。

−−決まったというとき、今後こんなふうにやってみようというのは。

気持ちの変化はありません。私に意欲はありません。

−−下関のイメージ。

非常に乾いた街です。

−−スタイルは変わらない?

今まで通り。

−−今日も明日も。

はい。

−−シャーリー・マクレーンの言葉を引用した「当然」に込めた思い。

思いはなくて当然だから当然です。

−−石原慎太郎都知事にひと言。

おじいちゃん新党を作ろうとしている。新党結成にいそしんでいただければ。

−−地元の方も喜んでいるのでは。

それはうそです。本当に嫌われている。

−−不機嫌に見える。

やめましょうよ。前の円城さんが非常に丁寧に答えていて、自分はそういうふうにできないと思って。機嫌悪くやるだけです。

−−お酒はどれくらい飲んでますか?

ワイン2杯ほど。

−−機嫌が悪いとすると何が。

この(会見の)状況が。

−−たくさんの人の前にいるのがいや?

こういう場にいるのが好きな人はいないでしょ。ギャラが出るんでやるだけです。

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