俳優の染谷将太さんが9日、東京都内で行われた映画「生きてるものはいないのか」のトークショーに登場。石井岳龍監督から「染谷君の役は受け身の役だったので相当難しかったと思う。演出も苦労したので染谷君はすごいなと思いました」と絶賛されると、染谷さんは「楽観的なんです。受け身ならそこにいるだけでいい。そうすると自然に役になっていく。(衝撃といわれている)ラストシーンは無の境地でその先があるかどうかも分からない感じでした」と演技の新境地を開いた様子だった。
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映画は、「狂い咲きサンダーロード」(80年)や「逆噴射家族」(84年)などの作品で世界にもファンが多い石井聰亙改め岳龍監督が「五条霊戦記 GOJOE」(00年)以来十数年ぶりの最新作。前田司郎さんの同名戯曲が原作で、怪しい都市伝説がささやかれる大学を舞台に、18人の登場人物が謎の最期を迎えるさまを描いている。全国で公開中。
喫茶店の店員のケイスケを演じた染谷さんは「人が人を殺そうとしているシーンで、ケイスケは殺そうとしている人を止められない、人間だが僕は止めようとする人間。監督から『役との背骨がズレている』といわれたので、“背骨の位置”を合わせることに徹しました」と役作りについて話した。また、染谷さんは「分厚い台本、膨大なせりふで、石井監督の映画は会話より動きがあるという印象だったので意外だった」といい、石井監督は「言葉による映画は好きではなかったが、原作を読んだら会話が面白くて。新鮮なキャストで面白い人物像を作っていけば間違いなく面白くなると思った。俳優さんにとってもチャレンジしがいのある映画だったんじゃないかな」と見どころを語った。(毎日新聞デジタル)
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