吉本興業:衛星テレビで世界進出 沖縄国際映画祭で発表

会見で調停を結んだ大崎洋・吉本興業社長(右から2人目)と葛福鴻・東風衛視社長(同3人目)
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会見で調停を結んだ大崎洋・吉本興業社長(右から2人目)と葛福鴻・東風衛視社長(同3人目)

 吉本興業がアジア、欧州、北米で視聴できる台湾の衛星エンターテインメント局「東風衛視(とんぷうえいし)」の事業に参画し、5月1日から「吉本東風衛視」のチャンネル名で、お笑いをはじめ日本のコンテンツを世界へ発信することになった。沖縄県宜野湾市などで開催中の第4回沖縄国際映画祭の会場で25日、発表された。約1500万世帯が視聴可能で、スタート時には1日3時間程度、同社が制作に関わった日本の番組を放送し、その後、徐々に放送時間を増やしていくという。

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 会見で大崎洋社長は「私たちが15~16年前から台湾に通い、友好を温め、やっとプロジェクトができることになった。東風衛視はたぶん日本人の知らない、アジアの人たちが楽しみにしている最大のエンターテインメントチャンネル。そこに吉本が参加できることをうれしく思う」と語った。

 一方、東風衛視の葛福鴻社長は「日本の制作者は優秀で細やか。日本以外の(地域の)制作者が日本のノウハウを学べると思う。それを全面的に私たちの新しいチャンネルに持ち込みたい」と話した。具体的には「吉本の持っているコンテンツ、音楽、お笑いをいろんな形で展開していきたい。例えば、日本のおいしいものや物産などもこのチャンネルで紹介したい。まず、日本の番組を字幕、吹き替えで放送し、今後はいろんなイベントも展開したい」(高龍太郎・よしもとクリエイティブ・エージェンシーアジア海外事業センター長)としている。

 大崎社長は「(漫才作家の故・)香川登志緒先生から『大崎君、漫才は2人の会話という最小単位で成立するから、なくならないし、どこの国でも通用するよ』と教えていただいた。日本の漫才をどう広げていけるかは、僕らの社業の本業。前に進めていきたい。大阪の伝統文化、大阪人、そして日本人の考え方を世界に伝えることができるかもしれない。そういう夢を持ってやっていきたい」と語った。(毎日新聞デジタル)

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