朗読少女:乙葉しおりの本の小道 第64回 トールキン「指輪物語」

「新版 指輪物語<1>旅の仲間 上1」作・J.R.R. トールキン(評論社文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん
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「新版 指輪物語<1>旅の仲間 上1」作・J.R.R. トールキン(評論社文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第64回のトールキンの「指輪物語」だ。

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 皆さんこんにちは、乙葉しおりです。

 新学期、新年度、新しい1年の始まりですね。

 新しい学校、新しい会社、進級に昇級に昇進など、なにかと変化の大きい季節です。

 では、私たち朗読倶楽部は?と、言うと……他のクラブ活動と同様、新入部員の勧誘方法を考える時期なんですが、どうするか中々決まらなくて、少し煮詰まり気味なんです。

 アイデアが出ないわけではないんですが……。

 ・地味なクラブ活動をどうしたら注目してもらえるのか?

 ・注目=入部ではないのでは?

 ・興味のある人に訴えかけるような方法を!

 ・幽霊部員はありかなしか?

 ・そもそも無理に部員を増やす必要はあるのか?

 ……など、喧々諤々(けんけんがくがく)です。

 皆さんはどんな方法で勧誘するのが良いと思いますか?

 さて、4月4日は作家・翻訳家の二葉亭四迷(ふたばていしめい)さんのお誕生日です。

 この落語家さんのようなペンネームは、代表作のひとつ「浮雲」から初めて使われるようになりましたが、その由来は元士族のお父さまが文学の道に理解を示さず、「お前なんか“くたばってしめぇ”」と言い放たれたことから来ていると言われているそうです……。

 二葉亭四迷さんは、どんな気持ちでこのペンネームを使おうと思ったのでしょう。

 もし私がお父さんから同じことを言われたら、間違いなく泣いちゃうと思います……(T^T)

 ではここで、朗読倶楽部のお話……「朗読倶楽部の家庭訪問」第4回です。

 最後は私、乙葉しおりのお家について……。

 私のお家は、町がニュータウンとして開発されるずっと前から建っていた古い農家で、今は祖父母の趣味の畑だけになってしまいましたが、かつてはかなりの面積の耕地を持っていたそうです。

 その名残で、お庭には納屋や土蔵があったりして、中を探してみると、思いもよらないような古い本が見つかることもあるんですよ。

 実は、ここで見つけた本の数々が私の「文学好き」のルーツに繋がっているんですけど、これはまた別の機会にお話しできたらと思います。

 住居の方は、古いだけあって平屋なんですけど、部屋の数が多く離れもあるので、私も母屋と離れにひとつずつ自分のお部屋をもらっています。

 部長さんはよく「部屋が複数なんて夢のよう」と言いますけど、みかえさんの部屋とは比べものにならないですし、冬場は隙間風が厳しく感じるときもあるんですよね。夏場は風通しが良くていいんですけど……。

 最後に倶楽部のみんなからの反応をまとめると、

 「私もこんな別荘がほしいです」

 「これで酒の一本もあれば最高」

 「朗読倶楽部保養所、くつろげるセカンドハウス」

 だ、そうです……誰が誰のせりふかは、なんとなくわかりますよね……と、いうところで、今回はここまでです。

 次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)

■しおりの本の小道 J・R・R・トールキン「指輪物語第1部・影の帰還」

 こんにちは、今回は前回に続きイギリスの作家、ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンさんの長編ハイ・ファンタジー「指輪物語」のご紹介です。

 前回は「指輪物語」の背景となる世界観の壮大さと、それが現在まで続くファンタジー作品にいかに大きな影響を与えたかをお話ししましたが、今回は物語の序盤・第一部にあたる「影の帰還」についてご紹介させてください。

 アルダ(地球)の中つ国の歴史の中で、第三紀と呼ばれる時代。

 小人の種族・ホビット族の集落、「ホビット庄」に住む「フロド・バギンズ」は、ホビット族が成人と認められる33歳の誕生日を迎えました。

 同じ日に 111歳の誕生日を迎えた養父の「ビルボ」(前作・ホビットの冒険の主人公)は、2人を祝う誕生パーティの席上で、フロドに「魔法の力を持つ指輪」や、家をはじめとした自分の全財産を託した後、突然姿を消してしまいます。

 かつてビルボと旅をした魔法使い「ガンダルフ」は、その指輪には大きな闇の力が宿っているため、決して使うことなく、その存在も知られることのないように……と、フロドに言い残して立ち去るのでした。

 残されたフロドは、言いつけを守って平穏に暮らしていましたが、ある日、彼の家を久しぶりに訪れたガンダルフにより、魔法の指輪が「身の毛のよだつもの」と呼ばれる「冥王サウロン」から狙われていることを告げられます。

 フロドとホビット族の友人たち「旅の仲間」は、サウロンから逃れるため、そして指輪の秘密を解き明かすために、賢者が住むと言われる「裂け谷」に向かって旅立ったのでした……。

 今日のファンタジー作品にも使われている多くのシチュエーションが濃縮されていると言われる「指輪物語」。

 前作の「ホビットの冒険」とあわせて、未読の方はぜひご一読されてはいかがでしょうか?

 そしてアルダの世界をもっと深く知りたくなったら、「シルマリルの物語」や、世界観を共有する短編集などもおススメですよ(*^^*)

 ※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。

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