47都道府県芸人グルメ便:笛吹の桃カレー 山梨・ぴっかり高木といしいそうたろう

山梨の名物メニュー「桃カレー」をアピールする「ぴっかり高木といしいそうたろう」
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山梨の名物メニュー「桃カレー」をアピールする「ぴっかり高木といしいそうたろう」

 吉本興業の若手芸人が、47都道府県に住んで地元に密着した活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」。全国に住む「住みます芸人」の皆さんに各地のおいしいものを紹介してもらいます。今回は山梨に住むお笑いコンビ「ぴっかり高木といしいそうたろう」が、桃を使った笛吹(ふえふき)市の名物メニュー「桃カレー」の魅力を語ります。(毎週日曜更新)

ウナギノボリ

 山梨といえばフルーツ王国。実は桃の生産量も日本一なのである。そんな山梨県人は、いわゆる普通の桃の食べ方はしない。ナント! 皮ごと桃を食べるのだ。ええ?! と驚かれた方もいるだろう。実は山梨では実の硬い桃が、好まれて食べられている。いわば、カリッカリの桃なのだ。それをまるでリンゴを食べるがごとく、皮ごと食べる。それが、一番うまい!! 実際に我々も皮ごと食べて、そのうまさに驚き、以来、桃は皮ごと食べるものとして皆さんにオススメしている。

 そんな桃の食べ方をする山梨県が、実に意外なカレーを生み出した。その名も「桃カレー」(サラダ付き、1100円)。ついに! 山梨で、カレーと桃が出合ってしまったのである。

 この「桃カレー」、山梨県笛吹市の地元市民団体が、傷が付いたため市場に出荷できない「はねだし桃」を有効活用しようと開発し、その後、笛吹市春日居町のレストラン「WEST MOUNTAIN(ウエストマウンテン)」で夏季限定メニューとして提供することになったものだ。

 「なんでもいいからとりあえず桃をカレーに入れたれ!!」という生半可な思いで作ったのではない。まず、桃のペーストを特製のカレールーに混ぜこんだ。そのルーからは、桃の甘いフルーティーな香りがし、一口食べると口いっぱいにその柔らかな甘さが広がる。

 さらに、角切りにされた桃もそのままゴロッと盛りつけてみた。それをカレーと一緒にほおばれば、コリコリッとした山梨ならではの硬い桃の食感と特製カレールーの甘さが相まって、今まで食べたことのない、スパイシーかつフルーティーな味わいが楽しめる。一度味わえば、「桃とカレーの国際結婚やあ~」とあなたの中の彦摩呂さんが出てくること間違いなしである。

 そんなすてきな「桃カレー」を出してくれる「ウエストマウンテン」もまたすてきなのである。店内は、ウッド調で統一され、かなり広くゆったりしている。カウンターの向かいには天井まで作られた食器棚があり、これまたすてきな食器がズラーッと並んでいる。

 そして何よりすてきなのはお店の女主人、西山早苗さんだ。西山さん、実は30年前にご主人と一緒にお店をオープンしたが、翌年ご主人を亡くされたのである。それ以後息子さんを女手一つで育てながらここまでやってきた。ナント素晴らしい女性なのであろうか!

 そんな息子さんも今は山梨を飛び出して、修業をしに行っているそうで、「寂しくないですか?」と聞いたところ「いいの、いいの。息子は息子でちゃんとやってるでしょ」と笑って話す。母一人子一人であれば、ともすると過保護になり、離れられずベタベタになるのではと思いがちだが、西山さんはそうではない。実にすてきな親子関係を作っているのだ。

 息子さん、休みの時には山梨に戻り、お店を手伝ったりしている。実は、お店のメニューも息子さんが作ったものである。そんなすてきなお店「ウエストマウンテン」が皆さんに心込めてお出しする「桃カレー」、ぜひ一度ご賞味あれ! 他のメニューもたくさんあるよ。「焼きカレー」も抜群です。(取材協力 ウエストマウンテン 0553・26・2820)

 ◇ぴっかり高木といしいそうたろうのプロフィル

 ぴっかり高木(大阪府出身)といしいそうたろう(東京都出身)のコンビで09年12月に結成。ぴっかり高木は「ドラゴンボール」のナッパのものまね、いしいそうたろうは佐藤浩市のものまねで知られる。山梨の住みます芸人として11年5月から活動している。毎日10時からYNN(よしもとネタネットワーク)山梨「ぴかたろうTV」(http://www.ynn47.jp/yamanashi/)をユーストリームで生配信中。

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