ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに100万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第102回はジャック・ケッチャムの「老人と犬」だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。
先日、親戚のお見舞いで病院に行ったときのことなんですけど、「面会マナーとしてマスクを着用するように」という注意書きがありました。
自分は健康だから問題ないと思っていたんですけど、よく考えるとインフルエンザやノロウイルスには潜伏期間があって、一見健康でもすでに感染しているかもしれないんですよね。
……と、いうわけであわてて売店でマスクを買った私でした。この時期は普段からマスクを持ち歩いている方がいいかもしれませんね。
それでは早速始まるお誕生日ご紹介コーナー、今回はイギリス出身の5人の作家さんです。
まず最初は、マイケル・ボンドさん(1926年1月13日生まれ)。
クリスマスプレゼントに買ったくまのぬいぐるみがきっかけで誕生したという「くまのパディントン」シリーズで知られています。
続いて、ヒュー・ロフティングさん(1886年1月14日生まれ)。アメリカで発表された、動物語を話せるドクター「ドリトル先生」シリーズは、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
3人目は、アン・ブロンテさん(1820年1月17日生まれ)。以前お誕生日をご紹介した「嵐が丘」の作者エミリー・ブロンテさんの妹さんで、「ワイルドフェル屋敷の人々」を発表しました。
さらに4人目は、アーサー・ランサムさん(1884年1月18日生まれ)。代表作「ツバメ号とアマゾン号」シリーズの6作目「ツバメ号の伝書バト」は、イギリス図書館協会が主催する児童文学賞・カーネギー賞の記念すべき第1回受賞作となりました。
そして最後に、レイモンド・ブリッグズさん(1934年1月18日生まれ)。代表作の絵本「スノーマン」は広くグッズ化されていることから、本を読んだことがないという方も、一度はその姿を目にしたことがあるのではないでしょうか?
では続いて、朗読倶楽部のお話……朗読倶楽部部長・丙絵ゆいさんのお話・今回が最終回です。
お家と学校で二つの顔を持つようになったことが、図書館通い、ひいては先生や朗読倶楽部との出会いにつながったという部長さん。
文芸部成立のための相談をした時、先生が部長さんを紹介してくださったのは、もしかして「持て余していた」からなのでは……というみかえさんの指摘に素早く顔を背ける先生でしたが、そのお陰で現在の朗読倶楽部があるのは確かなことで、この出会いを作ってくれた先生に感謝しているのもまた確かなことなのです。
最後に、この家庭訪問で不思議に思ったもう一つのこと、お部屋にライトノベルが全く見当たらなかった件ですが、部長さん曰く、「本棚は部室にある」とのこと……確かに、本棚に部長さんの本が多いなとは思っていましたが……(^−^;
ちなみに部長さんがライトノベル好きになったのは、図書館で暇を持て余していたとき、あまり活字を見たくないがために絵の多そうな蔵書を探したのがきっかけなんだとか。
ともあれ、部長さんの二つの顔を持つ生活は、今しばらくは続きそうな気配なのです……と、いうところで、このお話はここまで。次回からはまた新しいお話になりますので、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 ジャック・ケッチャム「老人と犬」
こんにちは、今回ご紹介する一冊は、アメリカの作家ジャック・ケッチャムさんが1995年に発表した「老人と犬」です。
以前ご紹介したアーネスト・ヘミングウェイさんの「老人と海」を彷彿とさせますが、これは邦題ならではのエピソード。原題は「RED」……この題名には作中のテーマにかかわる深い意味が込められているのですが、その内容とは……。
愛する妻に先立たれ、娘も嫁いでしまってひとり暮らしとなったエイヴリー・アラン・ラドロウさん。彼は小さな雑貨店を経営しながら、余暇は老犬の「レッド」と釣りを楽しむ、静かな老後を過ごしていました。
しかし、その生活は無残にも「撃ち」破られてしまいます。いつものように出かけた釣り場に現れた、銃を持った少年たちによって……。
遊び半分に銃を向け、お金を出せと迫る少年。対するラドロウさんは一切抵抗せず、うなり声をあげるレッドをなだめながら、「盗っていくがいい」と促します。
ところが、ラドロウさんがほとんどお金を持ち合わせていないと知って腹を立てた少年は、お金を盗らず憂さ晴らしとばかりに、レッドを撃ち殺してしまいました。
自分の半身を奪われたような衝撃を受けるラドロウさん。彼にとってレッドは長年の家族であり、亡き妻からのプレゼントという忘れ形見でもあり、失意の日々を過ごす自分の心の支えでもあったのですから……。
どうにかして少年たちに罪を償わせようと行動を始めたものの、レッドを撃った少年は地元の有力者の息子で、罪を認めようとしないばかりか圧力までかけはじめます。ラドロウさんは辛抱強く説得を続けるのですが、圧力は次第に過激さを増していき……。
銃社会、少年犯罪、家族、このお話はさまざまな問題提起をしつつも、明確にその原因を追究することはありません。
決してペットではない、自分の家族を殺されたラドロウさんの内に秘めたものこそが、このお話のメーンテーマなんだと感じました。
皆さんもこの「レッド」に込められた意味を、一緒に探してみませんか?
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。
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