生田斗真さんが感情を持たない殺人者を演じる「脳男」が9日から全国で公開される。実のところ、今作を見る前はさわやか系の生田さんに感情を持たない殺人者など演じられるのかといぶっていたが、その懸念を見事に覆す見事な仕上がりだった。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
東京都内近郊で無差別連続爆破事件が発生。刑事の茶屋は、犯人のアジトを突きとめるが、そこにいたのは、自らを鈴木一郎と名乗る男だった。共犯者と目されたその男は、犯罪の異常性から精神鑑定を受けることに。その担当になったのは、精神科医・鷲谷真梨子だった……。鈴木一郎を生田さんが演じるほか、茶屋役を江口洋介さん、鷲谷役を松雪泰子さん、さらに爆弾魔・緑川役を二階堂ふみさんが演じている。
予備知識まったくなしで試写を見に行ったところ、そのあまりの衝撃にのけぞった。こんな作品を配給していいのか?とすら思ったほどだ。純粋に面白かったことは認めるが、安易にそういってはいけないような気にさせる。それほど強烈に、この映画は人間の心の闇を見せつける。徹底的な悪と、それに審判を下す人間を登場させ、見ている側の善悪の基準を軽々と崩壊させる。こんなダークヒーローを生田さんが演じたことが驚きだが、こんなダークな話を、「星守る犬」の瀧本智行監督が手掛けたというのにも驚いた。さらに、二階堂さんの怪演ともいうべき演技と、その相棒役太田莉菜さんのエキセントリックなおぞましさ。江口さんのハードな刑事ぶりにもさらに驚かされる。とにもかくにも、予想を見事に裏切る快(怪?)作。9日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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