47都道府県芸人グルメ便:「琉球ぜんざい」 沖縄・初恋クロマニヨン

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 吉本興業の若手芸人が、47都道府県に住んで地元に密着した活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」。全国に住む「住みます芸人」の皆さんに各地のおいしいものを紹介してもらいます。今回は、沖縄に住むお笑いトリオの「初恋クロマニヨン」が、沖縄の涼味「琉球ぜんざい」を紹介します。(毎週日曜更新)

ウナギノボリ

 我々「初恋クロマニヨン」は沖縄県の中部にあります読谷村という日本で2番目に人口が多い村の出身でございます。読谷村は座喜味城跡という世界遺産に登録されている立派な文化財があるのどかな村です。最近、僕らが村出身ということで、CM撮影に起用されました! これは23~30日に開催される「第5回沖縄国際映画祭」で沖縄県41市町村すべてのCMを制作・発表するという企画のもので、もちろん我らが座喜味城跡も1カット登場しております。その座喜味城跡前にたたずむ、何とも素朴でかわいらしい「おやすみ処」が、今回紹介する「鶴亀堂ぜんざい」です。

 「ぜんざい? 沖縄でぜんざい? どうも結びつかない!!」なんて言っているそこのアナタ。沖縄のぜんざいはいわゆる本土のぜんざいとは一味違うんです。一般的にぜんざいといえばお汁粉のようなものをイメージする人が多いと思いますが、沖縄のぜんざいはどちらかというとかき氷に近いんです。器にちょうどいい量の冷たいぜんざいを入れたら、かき氷機でふわっふわの氷を山盛りでまぶしていきます。このスタイルは、亜熱帯の沖縄にピッタリなアレンジなんです。たくさんの沖縄ソバ屋が建ち並び、日々しのぎを削る「沖縄そば激戦区」沖縄ですが、実は「ぜんざい激戦区」であることはあまり知られていません。これを押さえておけばアナタはもう沖縄通。

 鶴亀堂ぜんざいに話を戻しましょう。店を構えて13年目、店のドアを開くとまず耳に飛び込んできたのは観光客の子どもたちの元気な声。BGMのラジオから聞こえてきたのは「FMよみたん」のパーソナリティーの小気味よいおしゃべり。涼しげな店内の奥の方を見ると、テークアウト用の窓口から、地元の人と談笑しながら注文を受ける、店主の喜友名さん。活気があるのにそれでいてゆったりとした時間が流れる店内。

 我々も中へ入るなりさっそく注文へ。頼んだのは、まずこのお店の基本中の基本「琉球ぜんざい」。シンプルに鶴亀堂ぜんざいを味わうならこれが一番。金時豆と白玉入りのぜんざいを少しとけかけた氷と混ぜて喉に流し込むと……。ほどよい甘み、ひんやりとした舌ざわり、金時豆のつぶつぶ感。これぞ沖縄風ぜんざいの黄金比。僕のおすすめの食べ方は、器に山のようにのった氷を崩し、ぜんざいの汁と一度混ぜてから豆から先にいただきます。そして、最後に氷と汁が混ざりあったシャーベットを飲み干します。そうすることで食べ終わった後もさわやかな余韻に浸ることができます。これを読んでいるアナタもぜひお試しあれ。

 そして「抹茶みるくぜんざい」の紹介もさせてください! 琉球ぜんざいでも最高においしいのですが、厳選した宇治抹茶とミルクがこれまた絶妙に合うこと。疲れた体に「抹茶みるくぜんざい」でちょっと休憩。そしておまけに「イチゴみるく」。なんとも素朴なメニューなんですが、やはりただのかき氷とは一味も二味も違います。これは鶴亀堂ぜんざいのメニュー全てに共通することなんですが、ミネラル水を使用した氷はふわっふわのサラッサラの喉ごしスルッスルなんです。

 僕はかき氷が大好きなかき氷批評家ですが、ここのイチゴみるくは絶品です。あっさりしたいちごシロップにさらに濃厚なミルクをひとくぐりですが全然しつこくありません。見た目にも美しいです。

 このほか店主のおすすめは「紅芋黒糖ぜんざい」。読谷村の特産品である紅芋を使った一品。こういった変わり種商品も、店主自ら情熱を持ってつくるからこそ、万人から愛される一杯になるんですね。

 さあ、というわけで今回で紹介した鶴亀堂ぜんざい。店のたたずまい、雰囲気から伝わってくるのは本当に読谷村が好きなんだなあということ。ただ、全然押しつけがましくないんです。腰を据えて大好きな地元で商売をしていたら自然と集まる観光客と地元の人。そんな自然体の鶴亀堂ぜんざい。皆さんも一度ご賞味あれ。あ、鶴亀ぜんざいではなく、鶴亀堂ぜんざいです。お間違えのないように。店主からの伝言です。(取材協力:鶴亀堂ぜんざい 098・958・1353)

 ◇初恋クロマニヨンのプロフィル 

 比嘉憲吾(沖縄県読谷村出身)、新本奨(同)、松田正(同)のトリオ。沖縄県の住みます芸人として12年8月から活動している。毎日午後10時からYNN(よしもとネタネットワーク)沖縄チャンネル(http://www.ynn47.jp/okinawa/)をユーストリームで生配信中。

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