47都道府県芸人グルメ便:長崎の「トルコライス」 長崎亭キヨちゃんぽん

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 吉本興業の若手芸人が、47都道府県に住んで地元に密着した活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」。全国に住む「住みます芸人」の皆さんに各地のおいしいものを紹介してもらいます。今回は、長崎に住む芸人の長崎亭キヨちゃんぽんさんが、長崎の名物料理「トルコライス」を紹介します。(毎週日曜更新)

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 どーもー! 皆さんはじめまして! 長崎県住みます芸人の長崎亭キヨちゃんぽんでーす! みんなー! 腹減っとるー? 腹減っとるとねー? 分かりました! そんな腹ペコな皆さんに長崎のうまーかグルメば紹介しましょう!

 今回僕がオススメするご当地グルメはこちら! トルコライスです! ちゃんぽんがトルコライスを紹介……ややこしくてすみません。いや住みます芸人でした!

 ……冗談はさておき、知らない方のためにまず「トルコライス」の説明をしましょう!

 トルコライスとはピラフ、スパゲティ、サラダの上にトンカツを乗せ、一つの皿に盛ったもの、言わば「大人版お子様ランチ」ですね!

 今から約55年前に長崎で生まれ、レストランはもちろん喫茶店や社員食堂、学食やコンビニなどさまざまな所でみんなに愛され、長崎市内だけでもお店は約250店、今ではちゃんぽん、皿うどん、カステラに並び長崎の名物料理として全国に紹介されています。

 なぜ「トルコライス」という名前になったかは諸説あり、ひとつは3種類の料理を3色旗(トリコロール)に例え、トリコロールライス=トルコライスになったという説、もうひとつはアジアをピラフ、スパゲティをヨーロッパに例えその文化をつなぐのはトルコだという「ユーラシア大陸説」、もう一つはトルコライス元祖のお店の名前が「レストラントルコ」という名前だったからという説、謎に包まれたその由来ですが、今はそのままにしておいて、どれを信じるかは皆さんにお任せしているそうです。そのへんも異国情緒とロマンあふれる長崎っぽいですよね! ちなみに僕の名前はピース又吉さんにつけていただきました。(有名人の名前出してこびたー!)

 ……冗談はさておき、今回そのトルコライスを提供していただけるお店は長崎市油屋町にあります創業88年の老舗「ツル茶ん」さんです! 名店中の名店で地元の方、観光客の方、修学旅行の方と店内はいつもにぎわってます!

 元々この場所は新聞社だったんですって! そこに初代川村岳男さんがお店を出したのが大正14年、!驚くことなかれ長崎初の喫茶店(当時はきっちゃてんと呼ばれていた)なんです! 長崎はその地形から「鶴の港」と呼ばれています。「鶴の港、長崎にはじめて生まれた喫茶店」という意味で「ツル茶ん」と名付けたそうです。ちなみ僕の名前はピース……もうやめときましょう。

 現在ご主人をされているのが3代目の川村隆生さん、見た目もワイルドですが若いころはアメリカに住んでいた経験があったり、バイクで日本一周した経験があったりと生きざまもなかなかワイルドなご主人です!

 店内は歴史を感じさせるレトロな作りで、当時のポスターが張ってあったり照明があったり蓄音機があったりまるでタイムスリップしたかのよう! 雰囲気にのまれついつい長居してしまいそうになります。

 まずはじめにいただいたのがスタンダードなトルコライス。これが基本的なトルコライスです。どーですか? ようわからんでしょ?(笑い)

 バターライスにナポリタンとサラダ、そして真ん中にどどーんとトンカツ! ツル茶んさんでは20年程前からカレールーをかけるオリジナルタイプになったそうです。

 オーダーを受けてから揚げるサックサクのカツと昔ながらのナポリタン、それらを包み込むカレールーは少し甘めでバターライスと相性バツグン! 初めて食べた方には衝撃を、食べたことのある方には昔父ちゃん母ちゃんと食べたあの思い出がよみがえる感動を与える、これぞナンバーワン長崎のトルコライスですね!

 次にいただいたのが「ランタントルコ」。今や長崎を代表するお祭りとなったランタンフェスティバルにちなんでできたオリジナルメニュー。洋食と中華の融合を目指し、中華ホワイトソースを使ったシーフード主体のトルコライスです。ホワイトソースが有頭エビとからんでもうとろけてしまいそう! 女性にも人気のメニューです!

 最後にいただいたのがその名も「トルコ三四郎」。「姿三四郎」のモデルとされる西郷三四郎をイメージし、明治時代にもしトルコライスがあったら?というコンセプトで考案。バターライス、しょうゆと生クリームのスパゲティー、そして三四郎が好きだったという牛鍋より牛ヒレ肉のステーキをチーズで焼きこんだものを乗せた一品です。トルコライスにステーキ!? これは長崎人もビックリです! 肉汁たっぷりのステーキはやわらかくてジューシー! 食べたら現代の姿三四郎になった気分です!

 このようにトルコライスをバリエーション化したのはツル茶んさんが初めて。他にも和牛のビーフステーキを使った「テキトルコ」、スパイシーなハンバーグを使った「フリカンデルトルコ」など今は全部で9種類、季節限定メニューもあるそうです! ただただメニューを増やすだけではなく、メーンに合わせてライスを変え、スパゲティを変え、全てがベストなバランスで合うように試行錯誤しているところが川村さんのこだわり! あれもこれも食べたくなります!

 川村さんは若いころ長崎が田舎で嫌いだったそうです。それが今は大好き、長崎はいい街ですよってことを全国へ発信する人になってしまった。

 そう思わせてくれたのがトルコライス。突然の取材にもかかわらず川村さんは家族の話や長崎の歴史、文化の話などさまざまなお話をしてくれました。

 こういう「人の良さ」も長崎の文化かもしれませんね!「キヨちゃんぽんの記事を見て来ました!」と言えばあなたも川村さんのトークが聞けるかも!? 心もおなかも満たされたツル茶んさんでした!ごちそうさまでした!

 どうですか皆さん?食べたくなったろー? トルコライスはバリうまかけん、みんなも食べてみらんねー! オッケーケーオー!(取材協力:ツル茶ん 095・824・2679)

 ◇プロフィル

 80年1月15日長崎市生まれ。長崎の住みます芸人として11年5月から活動している。「Gopan」(テレビ長崎)、「なんでんカフェ」(長崎ケーブルメディア)にレギュラー出演。毎日午後10時からYNN(よしもとネタネットワーク)長崎チャンネル(http://www.ynn47.jp/nagasaki/)をユーストリームで生配信中。

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